倉庫99:北陸新在両方応援ツアー

  先月開業したばかりの北陸新幹線に、念願の乗車。取材費の出ない仕事を兼ねて行く旅なので、本当は鈍行か夜行バスで行きたかったところですが、やっぱり一度は乗っておきたいということで。私は「乗り鉄」ではありませんが、それでも初めての乗り物というのはワクワクするもんです。
  というわけで、はくたか553号で旅が始まります。
  車内は、こんな感じ。意外と、飾り気がないですね。各席のヘッドレストが上下可動式になっているのは気が利いているなと思いましたが、まぁそのくらいです。
  自由席の乗車率は、30%くらいでしょうか。開業1カ月にしては、意外と空いていました。朝が早いからでしょうかね。
  一気に、上越妙高駅までワープしました。新幹線の旅は、これだからつまらない。ちょっと矛盾したことを言いますが、鈍行並みのスピードで走る新幹線があれば、私は大ファンになると思うのですがね。私は、旅に速さを求めません。求めるのは、旅が「点ではなく線であること」です。途中があってこそ、旅なんです。
  上越妙高駅も、なんだか殺風景。もうちょっと、なんとかならないのかな。
  駅前風景は、こんな感じ。上越市の中心である直江津や高田ではなく、脇野田というマイナーな駅があった近くに新設されましたので、駅前開発はまだまだ始まったばかりです。数年後には、どこかで見たことがあるようなチェーン系ホテルがたくさん建つんでしょう。山並みの景色は、良いですね。
  上越妙高から直江津までは、3セク化した信越本線「えいごトキめき鉄道」で移動します。240円だからそれほど遠いわけではないですが、便が少ないのがちょっと。直江津・上越妙高間の区間列車を増便させるなど、対応してほしいところです。
  ここから、駅そばタイムです。直江津では、「直江津庵」でもずくそばをいただきました。新潟産の天然岩もずくを使用しています。沖縄などのもずくと違って、口当たりが柔らかいですね。「石や貝などがある場合があります」との注意書きがありましたが、そのようなことはありませんでした。あまり神経質になりすぎる必要はなさそうです。
  もう一杯、和風中華もいただきます。具なしなのがちょっと寂しいですが、300円と安いので気軽に試せます。味覚的には、申し訳ないですが「中華麺には関西風の出汁の方が合うかな」という感じ。なんだろうな、関東風のつゆと中華麺は、橋渡し役になるトッピングをのせないとあまり馴染まないですね。月見か、たぬきか。何か乗せた方が美味しくなると思います。
  いったんえちごトキめき鉄道で黒姫駅へ南下しまして、3セク化とともに生まれ変わった駅そば「黒姫駅そば」でかき揚げそばをいただきます。ひと目で分かる、冷凍かき揚げ。あまり麺・つゆに馴染みません。麺もつゆも悪くないのですが、組み合わせるとちょっとギクシャクした印象になる感じですね。たぶんですが、このかき揚げを一度レンチンしてから乗せると、もう少し相性が良くなると思います。
  黒姫駅構内には、ナウマンゾウの像が展示されていました。化石が発掘されたことで有名な野尻湖から近いんですね。
  さらに南下し、長野駅「ナカジマ会館」で天ぷらそばを。こちらは、フワフワ系の大判天ぷらです。具材が少なく、本格度という点では全然ダメなのですが、麺とつゆの橋渡し役としては及第点以上です。全体に一体感をもたらす、駅そばとしては良い天ぷらだと思います。天ぷらとして美味しい天ぷらと、そばに乗せて美味しい天ぷらは、必ずしもイコールではないんですよね。
  駅ビル[MIDORI」の開業に合わせてオープンしたこの店、長野県民にとっては馴染み深い駅弁業者の味(レシピ)を復刻したもの。かつてホームにあったナカジマ会館の駅そばで食べたことがない私はコメントできませんが、味の印象は同じなんでしょうか。
  長野から、再び北陸新幹線に乗って富山へ。富山駅には、ホームに「源」の売店があったりして(ただし、弁当販売のみでそばはない)「富山らしさ」があります。駅構内に人影が少ないのは、時間帯のせいでしょう(20時過ぎ)。
  本日は、富山駅近くの「日本ビジネスホテル」で宿泊。安いビジネスですが、普段野宿かサウナ、せいぜいカプセルという環境に慣れているので、これでもだいぶ贅沢な感じがします。夏場はたいてい野宿なので、冬場だけのプチ贅沢ですね。
  夕食は、ホテルで。直江津で、とある事情でもらった駅弁を、2つ。個人的には、「鱈めし」が美味しかったです。味付けが濃いめで覚めても美味しくいただける弁当でした。しかも、他の駅にはなさそうな食材のチョイスなので、特徴を感じました。「かにずし」の方は、まぁ他の駅にもありそうな味覚ですね。
  翌朝は、富山駅の駅そば「源」で昆布そばとますのすしをいただくところから始まります。「立山」の字が入ったカマボコ、健在ですね。富山では赤巻を使う店が多いのですが、「源」ではこの名入れカマボコに誇りを持っているのでしょう。ちなみに、とろろ昆布は富山産だそうです。
  ますのすしは、言わずと知れた富山名物にして、「源」の主力駅弁。自社製の駅弁を小分けしてサイドメニューとして扱えるのが、駅弁業者の強みですね。180円という値段も、サイドメニューにピッタリです。敷いてある笹の葉も本物で、香りが良いです。
  富山から高岡までは、3セク線のあいの風とやま鉄道で移動します。富山駅構内にあった駅そばやキヨスク売店などは、3セク化によってきれいさっぱりなくなってしまいました。ホームがガランとしてしまって、なんだか寂しいです。北陸新幹線が開業して賑わっているのは金沢だけだとよく聞きますが、それを如実に物語るような光景が広がっています。
  高岡では、まずは駅前の「喰音」で天ぷらそばをいただきました。天ぷらは、可愛らしいエビ天です。おそらく冷凍ものですが、注文後に揚げるのでサクサクアツアツです。つゆは、見事なまでに関西風。ここで、ようやく北陸ならではの赤巻に出会えました。これを見ると、「は〜るばる来たぜ北陸〜」という実感が湧くのです。
  エキナカの「今庄」でも、一杯いただきます。この店の名物・チャンポン。各種トッピングにも対応しているので、月見チャンポンにしてみました。「今庄」のチャンポンを食べるのはこれで5回目(南口店や今はなき地下街の店舗を含む)ですが、何回食べても不思議なメニューですね。今後は、他のトッピングにもチャレンジしてみるつもりです。
  高岡から、再度あいの風とやま鉄道で移動するのですが、旧北陸本線は3社の3セク線に分かれていますので、切符売り場(販売機)がやや混乱しています。高岡駅では、タッチパネルにはデフォルトであいの風とやま鉄道の運賃が表示されており、JR氷見線や城端線に乗りたい場合には一度路線のボタンを押す必要があります。それが分からない人が多いようで、3人に切符の買い方を聞かれました。地元の人が余所者に聞くって、どういうことよ?というか、分からない人がたくさんいるということは分かっているんだろうから、当面は切符売り場にコンシェルジュを配置しないとダメだね。
  石動駅で途中下車し、3セク化によって店がどうなったか心配していた駅そば「麺類食堂」に寄ってみました。営業を継続していて、ひと安心。もちろん、応援の意味も込めて一杯いただいていきます。天ぷらそば。写真は、湯気でカメラのレンズが曇ってしまい、撮影失敗の巻。富山「源」や高岡「今庄」が駅舎改築に伴ってリニューアルする中、この店だけは昭和の雰囲気を残してくれています。末永く、このままの姿で営業を続けてほしいです。ホーム側からでも食べられるので、改札を出たくない場合でも寄れます。ぜひ、一杯どうぞ。
  石動から金沢までの切符を買うと、割引が適用されます。この間の倶利伽羅であいの風とやま鉄道からIRいしかわ鉄道に切り替わるのですが、普通このような場合には、両線の初乗り料金が加算されるものです。石動→倶利伽羅が360円、倶利伽羅→石動が230円ですから、通しだと590円になるのが普通。しかし、割引適用で500円で乗車できます。初乗り料金がダブって運賃がやたらと跳ね上がらないように設定されているようです。
  3セク化の混乱は、改札にも現れていました。こちら、金沢駅の改札口。切符の買い方をめぐってトラブった人たちが続出し、改札に長蛇の列ができていました。金沢は外国人観光客が多いのでね、高岡駅のような切符販売機のシステムを理解しろというのは、無理な話なんです。このあたりのオペレーションは、今後抜本的に改善していかないといけないと思います。
  気を取り直して、金沢の駅そばを。駅舎改修に伴っていったん閉店した「白山そば」がm、新幹線開業に合わせてリニューアルオープンしていました。早速、名物の白えびかきあげそばをいただきます。
  相変わらず、美味いですね。というか、以前にも増して美味くなっています。その秘密は、麺を店内で茹でるようになったこと。以前は工場で茹でていましたが、茹で置き時間が短縮され、食感が格段に良くなりました。太麺で茹で時間が6分かかるので、店内茹でで対応するのは大変だと思いますが、今後もぜひこのオペレーションで続けてほしいと思います。
  金沢から2駅、森本駅近くのショッピングセンター内にある「百万石うどん」では、肉そばをいただきました。南蛮ネギの香りが利いた、素朴ながらも味わい深い一杯でした。
  ここでも赤巻が乗っていたわけですが、高岡・金沢・森本の赤巻を見比べてみてください。すべて、模様が異なっていますね。赤巻は、製造業者によって色・形から風味まで、実に様々です。赤巻を食べ比べるだけでも、北陸の旅は楽しいですよ。
  帰りの高速バスまでだいぶ時間があったので、七尾線沿線をちょっと探訪しました。千路駅前のソメイヨシノが、満開に近い咲きっぷりでした。
  帰りは、もっとも安く帰れる方法ということで、夜行バスの「青春ドリーム金沢号」を利用します。単純に安く上げるのなら往路も夜行バスがよかったのですが、まぁ今回は一応「北陸新幹線に乗ってみる」ということも目的のひとつになっていたので。どうでしょうね、今後北陸方面に行くときには、どちらに乗るかな。性格的に、夜行バスになるでしょうね。なにしろ、値段的に1/3くらいなので。富山あたりに行くときでも、「夜行バスで金沢→IRいしかわ&あいの風とやま」というルートを辿りそうに思います。新幹線に乗るとしたら、長野駅新幹線ホームの未食駅そばを食べたくなった時ですね。

戻ります。