倉庫87:みちのくブギウギ取材ツアー

  今回は、夜行バスで始まり始まり。実を言うと、前回の旅(倉庫86の旅)を終えた翌日に出発しているので、少々お疲れ気味。夜行バス、空いてたらいいなぁと思っていたのですが、格安のOTBライナー(本八戸駅経由北里大学行き)だけに、混雑……と思いきや、隣が空席でラッキーでした。席自体は狭いのですが、隣が空いていれば快適に眠れます。ちなみに、東京駅発の格安バス(いわゆるLCC)は、八重洲南口ではなく鍛冶橋駐車場からの出発になります。鍛冶橋駐車場は駅歩10分近くかかるので、早めに行っておくようにした方がいいです。
  本八戸まで一気にワープしてきました。駅舎内の「ばるーん」で、朝食タイムです。この店、当初は食べる予定はなく、消費増税で値上げしたかどうかを確かめるだけのつもりだったのですが、初訪時にはなかったオリジナルメニュー「煎餅そば」の貼り紙を見つけて衝動的に食べました。580円という値段が少々ネックではありますが、八戸の有名なご当地グルメ「せんべい汁」(もどき)をお手軽に楽しめるので、オススメです。かやきせんべいを2枚、4つに割ってけんちん汁に煮込んでトッピング。野菜エキスがたっぷり出ていて、鶏のダシも利いていて、なかなかの秀作です。
  JR八戸線で、久慈駅にやって来ました。綺麗にリニューアルされた駅舎。近年、特に地方では「駅舎がリニューアルされると駅そばが消える」という法則性があるだけに少々心配されたのですが、待合室内の駅そば「あじさい」は健在でした。こちらも、綺麗にリニューアルされています。
  あ、申し遅れましたが、今回は18きっぷ期間ではありませんので、「秋の乗り放題パス」を使っての旅になります。
  久慈駅「あじさい」は店長さんの考案したオリジナルメニューが最大の特長。約1年ぶりの再訪でしたが、この1年の間にまたまた新メニューが誕生していました。それがこちら、「まめぶinそば」です。従来のオリジナルメニュー「こはくそば」に、久慈の郷土料理「まめぶ」を追加したもの。丼の真ん中あたりに3つ乗っている「卵のように見えるもの」がまめぶです。この正体は、クルミと黒砂糖を包んだ団子。黒砂糖の甘みの主張が結構強いので、麺と一緒に食べるのではなく、単体でつまんだ方がいいですね。どういうシチュエーションで食べればいいか若干悩むのが、まめぶ。相性云々というより、まめぶを気軽に試す機会を与えてくれたという意味でナイスアイデアです。
  JR八戸線は、なかなか車窓風景が美しい路線です。海が綺麗ということもあるのですが、このように昆布の干場が眺められるポイントも点在しています。ここだけ切り取って見れば、北海道のような風景ですね。
  空きの乗り放題パスは、基本的にJR線のみ利用できるのですが、「野辺地以外の途中駅で下車しない」という条件付きで青い森鉄道の八戸・青森間に乗車できます。18きっぷと同じ対応ですね。というわけで、ありがたく野辺地で途中下車。
  あら、駅そば店が変わっていました。全国で唯一、旧伯養軒のブランド「こけし亭」の看板を残していた店だったのですが、「駅そばパクパク」に変わりました。業者も変わっています。味は……、特に変わっていないかも。高校生の利用が圧倒的に多い駅なので、高校生向けと思われるサイドメニューが充実しています。あまり利用されている感じではなかったですが……。写真は、たぬきそば。
  こちら青森駅ホーム。駅そば「そば処八甲田」、ホームの店舗は全滅していました。ここに限った話ではありませんが、どうも3セク化されると構内営業店は一斉に駆逐されるという傾向がありそうですね。権利の問題とか、あるのかな。ちなみに、JRホームの店舗はすでに建物も撤去されていますが、青い森鉄道ホームの店舗は建物だけ残っています(写真)。何かに利用されているわけではありませんが、壁にマスコットが描かれているので、残すつもりなんでしょうかね。
  本日4杯目は、弘前駅「こぎん」で。幻の津軽そばです。トッピングが乗っていないのがさびしく見えるでしょうか。「麺がよく見えるように」という理由でかけにしたのですが。というか、本当はこの店名物の「じゅんさい」を乗せたかったんです。しかし、今年は産地での収穫量不足のため扱いがないとのことでした。来年以降に期待しましょう。
  大鰐温泉「鰐の湯」でちょっとゆっくりしすぎた(ロクな写真がないのでスルーします)こともあって、今日はこんな場所で寝る羽目になりました。JR陣場駅のホーム上待合室です。間仕切りができず、ベンチもセパレートタイプだったので地べたに寝るしかなく、底冷えしてかなり寒かったのですが、寝袋を持参していたのが幸いしました。この駅には、トイレもありません。加えて駅前には土建屋があって夜中にトラックのたまり場になります。おそらく、二度とこの駅で夜を明かすことはないでしょう。
  気を取り直して、旅を続けます。まずは、鷹ノ巣駅の駅そば「7to7」で一杯……と考えていましたが、なんと、閉店でした。きのう本八戸で衝動的に食べておいて正解でした。単行本の絡みがあって、「食べられなかったからハイ残念」では済まないのでね。つじつま合わせが必要なんです。跡地は、飲食や物販のない観光案内所になっています。
  今日は、不作日でした。鷹ノ巣のだけでなく空振りが続き、駅そばを2杯食べただけで1日が終わってしまいました。
  ゲットできた貴重な駅そばを。まずは、土崎駅「港ばやし」のきのこそば。こちらも野辺地と同じパターンで、NREから業者が変わって承継された駅そば店です。店名も変わって、内外装ともリニューアルされています。駅そばが残ってくれたのは嬉しい(特に秋田県は駅そば絶滅が危惧される県なので)のですが、オリジナルレトルトカレー「食堂車のカレー」の販売がなくなってしまっていたのが残念。1回くらいは試しておくべきでした。
  2杯目は、山形駅東口ロータリーの外、ちょっと込み入った場所にある「満天の星」のたぬきそば(+生卵)です。う〜む、古典的なルックス、古典的な味。山形にもこういう店があるんですね。東京の葛飾区あたりで出会いそうなイメージの雰囲気・味です。「冷めたい肉そば」が名物(この店に限らず、山形の名物ですね)なので、次回はこちらにチャレンジしてみることにしましょう。
  夜行バス泊・駅寝と続いたので、今日はホテルをとりましょう。20代の頃ならひたすら野宿が続いてもどうということもなかったのですが、さすがに40を過ぎるとしんどいです。体力の衰えを少々感じます。そのぶん、気力は以前にも増して強くなっていますが(強がり)。
  とはいえ、予算に限りがあるので、安い「ホテルα-1」に投宿。部屋のラジオ、こんなんです。昭和40年代くらいのシロモノでしょう。ある種「アンティーク」とさえ感じます。
  外観は結構立派なんですけどねぇ。
  昨日が不完全燃焼だったので、最終日は駅そば三昧です。まずは、米沢駅「鷹」で、山形のだしそば。デフォルトは冷やしで、頼めばかけで作ってくれます。が、このメニューは圧倒的に冷やしで食べた方が美味しいでしょう。温かいつゆに浸かると、「山形のだし」は食感が失われるし味もなくなってしまう(塩分などがつゆに流れ出てしまう)ので。「山形のだし」は、普段から「家そば」でよく食べていて、やはり冷たいそばに合わせることが多いです。どうして今まで駅そばでこのメニューがなかったのかと、不思議に思うほどです(日持ちしないからでしょうか)。刻み海苔やワサビは合うと思いますが、個人的にネギはいらないかなと感じました。
  続いて、山形駅「べにばな屋」で、いも煮そば。この店、実は昨日食べようと思っていたのですが、夕方18時頃の時点ですでに売り切れていました。本日、再チャレンジでありつけました。新幹線改札内なのでねぇ、できれば一発で仕留めたかったところでしたが。
  里芋・コンニャク・ネギを炊いたものをトッピング。味覚的な相性は良いです。というか、もともとつゆにやや難のあった店なので、つゆをマイルドにしてくれるこのトッピングは大正解だと思います。芋煮は、単品の扱いもあります。新幹線の待ち時間に、芋煮でビールを軽く一杯という手もありますね。
  仙山線で、仙台へ。改札内外両側利用可の「杜」が工事で休業中だったので、やむを得ず「萩」に回ります。う〜む、タイミングが悪い。
  「萩」も、ご当地系メニューが消滅していたり売り切れだったりで若干空振り感があったのですが、気まぐれに注文した「鶏南蛮そば」が思いのほか美味しいものでした。鶏肉とそばつゆの相性は間違いないですね。つゆにまろやかさをもたらすので、劇的に美味くなります。白髪ネギの清冽な香りとシャキシャキ感も素晴らしいです。
  最後の一杯は、新白河「麺処 新白河」のたぬきそば。まぁ、味覚的には普通な感じなのですが、最後の一杯で東北らしい「赤い漆器風の丼」で出てきたのが印象的でした。今回の旅では、前半戦こそこのタイプの丼を多く目にしましたが、後半はちょっとご無沙汰していたので。遡って見ると、土崎以来ですね。個人的には、このタイプの丼を見ると「東北に来たっぺなー」と実感するのです。なんだか、これから旅が始まるのではないかという期待感すら滲み出てきてしまいました。

戻ります。