倉庫83:’14夏の甲子園観戦ツアー(後編)

  後編は、観戦記中心の構成です。お盆の土曜日ということもあって、朝からなかなかの人出。第1試合で外野席がこれだけ埋まるのはなかなか珍しいかもしれません。9時半の時点で、すでに内野席のチケットは完売でした。近畿勢の近江(滋賀)が登場するということもあるのでしょう。対戦相手は、これまた甲子園から比較的近い鳴門(徳島)。なかなかの好カードです。
  がっぷり四つの展開になるのかなと思っていたのですが、意外にも試合はワンサイドに。序盤(2回)に5点を先制した近江が、その後も着々と追加点を挙げて8−0で完勝しました。ヒットの数は9−12とそれほど大きな差はなかったのですが、決定力の差ということでしょうか。
  8回の攻撃時の「アルプス一万尺」、近江高校の定番応援ですね。だいぶ甲子園名物として定着してきた観があります。ゴールデンボンバーの曲を演奏するなど、選曲にも工夫が見られて印象に残りました。
  第1試合が終わったところで、突然のゲリラ豪雨。私はちょうど所用でいったん球場を離れ、駅にいるタイミングだったからよいのですが、満員の球場にいたらたいへんなことになっていたでしょう。毎度お馴染みという頻度なので、もはや異常気象という感覚さえ鈍っていますが、やっぱり困りますね。
  というわけで、第2試合は雨中の観戦です。スタンドにも、傘の花が咲きました。それでも、結構観客は多いです。第2試合は、城北(熊本)と東海大望洋(千葉)の対戦。新鋭校同士の対戦、といった構図。第1試合とはガラリと趣が違います。
  この試合で印象に残ったのは、城北の応援。オレンジ色がまぶしいですね。また夏の甲子園には、このカラーがよく似合います。九州、それも南部の代表校の試合は、1回戦でここまでアルプスが埋まるのは珍しいと思います。チャンスシーンで「あまちゃん」を演奏するのもいいですね。対する東海大望洋は、青を基調としたカラーリング。色の退避も楽しい応援合戦でした。
  応援の後押しもあったでしょうか、試合は8回裏に3点を挙げた城北が、鮮やかな逆転勝ち。千葉県勢は、ここのところちょっと初戦敗退が目立ちます。来年以降の奮起に期待しましょう。
  昼食は例によってダイエーで調達するのですが、本日は雨ということでスタンドに持ち込んでの食事ではなく、ダイエー内のフードコートで済ませることにしました。そばがあれば、当サイト的に駅そばの範囲に入る立地なので食べようと思っていましたが、残念、ありません。とんこつラーメンの半チャーハンセットで。まぁ、こんなもんだ。味はこれといってどうということもありません。球場内で食べるよりは安いし、味もしつこくないので、
  第3試合は、グラウンドコンディション不良のためだいぶ開始が遅れました。試合前、審判が入念にグラウンド状態をチェックします。今回は今日1日しか観戦できないので、中止なんてことになったら最悪だなと思っていましたが、どうにか続行されるようです。
  試合前のグラウンド整備も、長時間に及びました。こういう裏方さんたちの努力によって、大会は成り立っているんですね。甲子園に限らず、イベントものはすべてそうですが。
  第3試合は、今大会の1回戦ではもっとも注目が集まる好カードです。プロ注目の松本投手を擁する盛岡大付(岩手)と、好投手3人を揃えている東海大相模(神奈川)の一戦。準々決勝以降で見たかったカード。1回戦でこの両校が当たってしまうとは……。毎年思うことですが、優勝を占ううえでは組み合わせ抽選が本当に大事です。
  最速150キロと言われた松本投手ですが、雨中ということもあってこの日の最速は確認した限りでは144キロ。それでも、外野から見ていても「重そうだな」と感じる剛球を投げ込んでいました。力投型なので、連投するとスタミナが心配される部分があります。1回戦で見ることができて良かったなと思います。
  一方の東海大相模は、青島→小笠原→吉田と、好投手トリオの継投。全員が140キロをマークするというハイレベルな投手陣でした。
  試合は、一進一退の好ゲームに。6回に3点を挙げた盛岡大付が逆転勝ちし、2回戦に進みました。松本投手は3失点しましたが、雨の中を最後まで投げ抜きました。一方の東海大相模は、青島投手から小笠原投手へのスイッチが若干遅かったかなというてんが悔やまれる内容でした。3人いるのでね、打順2回りずつくらいで交代させた方が、相手にとっては嫌だったのではなかったかと思います。
  試合後の球場外。もう人、人、人です。いかに第3試合の関心が高かったかが分かります。松本投手、ソフトバンクにドラ1で入りましたね。プロとしての活躍に期待しましょう。
  雨で時間が押したこともあり、第4試合は点灯試合です。初出場の角館(秋田)と、八頭(鳥取)が対戦しました。
  こちら、角館の応援アルプス。初出場だけあって、遠くから大応援団が駆けつけています。アルプスから近いところで観戦していたので応援がよく見えたのですが、チャンス時の変わった応援が面白かったです。座ったり立ち上がったり、演奏や手拍子に「おりゃ」「ほいさー」といった合いの手が入り、テンポもよい応援でした。
  試合は6−1で八頭が勝ったのですが、ヒット数は11本同士。甲子園での点の取り方を知っているかどうかの差だったと思います。初出場校がなかなか勝ち進めないのは、こういう部分ですね。
  ちょっと残酷なシーンです。負けた角館ナインが「甲子園の土」を持って帰るのですが、報道陣に囲まれて「見世物」状態に。しかも、「土じゃなくて「泥水」なんですよね。シューズ袋に入れて帰るのが常なのですが、泥水は入れても入れても漏れてしまいます。ペットボトルじゃないと、いくらも持って帰れないかな。可哀想でした。
  今大会の観戦は、これにて終了。雨だったので、夏の甲子園らしさがあまり感じられず、残念でした。じりじりと照りつける太陽、全身にべとべととまとわりつく汗、入道雲にこだまするブラバンの演奏。いずれも今日は実感できませんでした。来年は、1週間くらい滞在したいな。
  新今宮の「サンプラザ」で一泊して、帰路につきます。鉄道乗りつぶし&仕事上の必要もあり、紀勢本線周りで。和歌山県内では、こんな張り紙を出している駅そば店を多く見かけました。「当分の間」というのは、おそらく「永久」を意味するんだろうなぁ。和歌山県って、実は結構な「陸の孤島」。駅そばの存続は極めて困難な立地かもしれません。
  そばは食べられなかったので、せめて名物の「なれ寿司」くらいは食べておきましょう。とはいえ、駅弁店も無期限休業なので、コンビニで。御坊駅近くのローソンで買って食べます。でもこれは、「なれ寿司風」ですね。もうちょっと熟成させないと、なれ寿司特有の風味にはなりません。だから「はやなれ寿司」なのか。「なれ寿司」はコンビニではなかなか売れないだろうからなぁ。
  紀伊田辺駅で、またしてもゲリラ豪雨に遭遇。ホームに降りる階段に、水のカーテンが……。
  新宮に着いてみると雨が上がり、晴れ渡っていたので、ちょっとだけ観光をしました。駅から歩いて3分ほどのところにある、徐福公園です。長崎あたりにありそうな、中国風の楼門が印象的。園内はそれほど広くなく、秦の始皇帝の命を受けて不老長寿の薬を求めて紀元前3世紀頃に渡来し新宮に住んだとされる徐福の墓(とされるもの)だけなのですが、売店などもあり(訪問時には閉まっていたが)、それなりに観光地の雰囲気があります。乗り継ぎ待ちの時間潰しにはちょうどよいスポットでしょう。
  新宮駅のホームを見て、うんざり。なんだ、この人の数は! 実はこの日は熊野花火大会があり、会場の熊野市(三重県)へ民族大移動が行われていたのです。おそらく、会場周辺の駐車場事情もあるのでしょう、多くの近隣住民が、普段全然乗らない鉄道に殺到。鉄道の便が悪い地域で大きなイベントをやると、こういうことになってしまいます。
  毎年のことなので、もちろんJR側も対策を立てていました。新宮・熊野市間に臨時直通列車を走らせています。特急仕様の車両で、グリーン車も開放。おかげで、私は青春18きっぷでグリーン車に乗るという貴重な経験ができました。
  熊野市駅に到着。駅そば「丸新」で食べることを楽しみに下車したのですが、あまりの人の多さに臨時休業でした。ちなみにこの店はその後閉店したとの情報があり、花火大会のために最後のチャンスを逃してしまったことになります(訪問時点では、営業している形跡があった)。私はもともとあまり花火大会当の雑踏系イベントがあまり好きでないのですが、この時には憎さ100倍でした。
  麺類営業は休みだったのですが、店頭で鯖寿司を売っていたので、これを食べて我慢することに。500円でこのボリューム感。通常の駅弁よりもだいぶお得な設定でした。簡易パッケージですが。
  この日は、松阪で宿泊。2度目ですね、ビジネスホテルマルヤマ。松阪で安宿検索をすると真っ先にヒットする宿です。昭和の雰囲気が残るホテルですが、私はピカッと新しいところよりもこういう少し古びたホテルの方が落ち着きます。軽朝食無料のサービスもあり、使い勝手がよいです。ただ、個人的には、ここで宿泊した翌朝に松阪駅の駅そば「汽笛亭」で食べるのが常なので、軽朝食は別になくてもいいかなと(笑)
  今回も、そのパターンです。松阪「汽笛亭」で、肉そばをいただきます。牛肉はクズ肉ですが、柔らかくて適度に脂身もあり、麺・つゆとのマッチングがよいです。周辺にあまり駅そばがないエリアだけに実食する機会が多く、記録に残していない分を含めると5回食べているのですが、実はまだ肉そばと伊勢うどんしか食べたことがありません。どうしても、当地に行くとこのどちらかを食べたくなってしまいます。全メニュー制覇はいつになるやら……。
  一昨日・昨日と駅そばから離れてしまっているので、最終日は駅そば三昧にしましょう。まずは、名古屋駅「住よし」で名古屋コーチンそば。870円! 高い! でも、食べたくなる! 2回目の実食です。今回は、1・2番ホームの店舗で。ホームの駅そば軒数が日本一多い名古屋駅、まだ食べていない店舗もありますが、味に微妙な違いがあるようです。おそらく回転率の問題だと思うのですが、1・2番ホームは比較的空いているので、やや煮詰まり系でしょうか。美味しい状態で食べたいなら、混んでいる店舗を選ぶといいと思います。
  続いて、金山駅「かどや」のかき揚げそばです。金山駅の駅そばいつの間にか「金山庵」から変わっていました。「金山庵」かなりハイレベルだったんですけどね……。「かどや」になって、味はだいぶ落ちた印象です。かき揚げも、冷凍ものでした。まぁ、駅そば店が残っただけでも良しとしましょう。
  最後の1杯は、熱海駅「爽亭」のたぬきそばです。1・2番ホームの東京寄りにある店で、かつては名無し店でしたが、近頃「爽亭」の看板が出されました。運営は変わらずJTSです。味も、大きくは変わっていません。近年減少傾向にある「This Is 駅そば」という味。ニューウェーブ系の店が多くなってきた今、むしろこういう味の店の方が、私は強く惹きつけます。

戻ります。