倉庫79:花咲忘年迎春ツアー(前編)

  今回はかなり長い旅になりますので、端折りながら紹介していきたいと思います。まずは池袋からひたすら北へ進み、福島へ。
  福島駅というと、改札外の「松月庵」が個人的に馴染み深いのですが、今回は新幹線改札内の「そば処」を攻めます。名物メニューの「ラジウムそば」を。まぁ、温泉玉子がトッピングされるだけなんですけどね。温泉→ラジウムの発想なのでしょうが、ラジウム=放射線を発するということで、原発を連想させてしまうのが、タイミング的にも微妙。でも、ラジウムの発する放射線は、セシウムなどから出る放射線とは種類が違い、常識の範囲であれば安全です。
  福島駅から、伊達駅まで歩きました。伊達駅では、気の早い門松が飾られていました。
  2杯目は、JR仙石線のあおば通駅が最寄りとなる、ダイエー仙台店内の「そば・で・十割」の、ミニかき揚げ丼セット。ちょっと値段が高い(かけ420円)んですけどね、十割そばということで、許容しましょう。セットにすれば600円ですから、平均的な立ちそばと大差がなくなることですし。
  十割だけあって、香りもそれなりにあるし、なによりもザラザラした食感がそばらしくて好感が持てます。仙台の立ちそばは全体的にレベルが高いですが、この店も充分勝負できるレベルにあります。
  岩手県に入ると、雪が目立つようになりました。今日のお宿は、JR北上駅から徒歩5分ほどの、北上パンションホテル。北上には格安のカプセルホテルがあるのですが、風呂がないので、風呂に入りたいときには他を当たります。そうすると、値段的にここに白羽の矢が立ちます。ホテルというよりも「ワンデーマンション」という感じの施設ですが、安く泊まるには好適です。大通から奥まっているので、ちょっと場所が分かりにくいですが。
  2日目・12/29の朝食は、JR北上駅新幹線改札内の「あじさい」で、山菜なめこそばを。赤い漆器風の丼、東北らしくていいですねぇ。
  北上駅には、在来線改札外の待合室内にも「はやて」があり、選択肢があるのが嬉しいところ。東北地方には、ここのように同一駅で複数の駅そばが営業している駅が、まだまだ多く残っています。共存共栄で、頑張ってほしいところです。
  今回は青春18きっぷではなく北海道&東日本パス(以下「北東パス」)を使用しているので、IGRや青い森鉄道も心おきなく探訪することができます。やって来たのは、小鳥谷駅。この駅で「ニコニコ駅こずや」という店が営業しているという話を聞いて、途中下車してみました。そばを扱っていないかな〜と思って来てみたわけですが、残念ながらありませんでした。そばは、つゆを温めておくために常に火をつけていなければいけないですから、客数の少ない駅では扱えないのでしょう。1人分ずつ小鍋で沸かすという手もあるのですが……。
  というわけで、ここでは五平餅を購入。写真では大きさが分かりにくいですが、直径10センチくらいあります。3つ食べると、結構満腹になります。ほんのりと味噌味が利いていて、焦げの香ばしさもあって、なかなか美味しいものでした。
  一度好摩へ戻って、花輪線で北上します。途中、鹿角花輪で途中下車して、「あじさい」で三食そばをいただきました。旧伯養軒系駅そばの、名物メニューです。トッピングはキツネ・たぬき・生卵。特別なものが乗るわけではないんですけどね、往年の伯養軒を知っている人間にとっては、「三食」と聞くだけで注文せずにはいられないのです。列車旅とは、そういうものなのです。
  北海道へは、恒例の急行「はまなす」で渡ります。以前は、北東パスだけで乗れるありがたい夜行急行だったのですが、現在は急行券を別途購入する必要があります。それでも、1000円少々で一夜を過ごすことができて、しかも寝ている間に札幌まで移動できるのですから、ありがたい存在です。急行券が別途必要になって、ケチケチ旅行者の利用が少しでも減ってくれれば、むしろ好都合。実際、4人掛け席全占領はできなかったものの、2人分を占領でき、横になって過ごすことができました。
  札幌に着いて、まず湧いた欲求は食欲でした。JRホームの「弁菜亭」がまだオープン前だったので、一度改札を出て、地下鉄との乗り換え通路からちょっとAPIA飲食街に入ったところにある「……ING」まで足を伸ばしました。本当は地下鉄改札近くの「ひのでそば」で食べたかったんですけどね、すでに年末休業に入っているのか、やっていませんでした。
  オーソドックスな、たぬきそば。揚げ玉の粒が大きいですね。スナック菓子のようにサクサクしていました。
  北海道に入ると、雪の量も一気に増えます。写真は、江別駅。間断なく除雪作業が行われているため、それほど積もっているようには見せませんが、除雪されていないところでは膝の辺りまで積もっています。車線がどこにあるのか分からないし、歩道と車線の区別もよく分からない。こういう道は、よく知った人でないと車では走れないですね。
  岩見沢から室蘭本線に乗り換え、栗山駅へ。この駅に、今回の旅の目的のひとつとなる言える駅そばがあります。が、その前に小ネタを。
  この駅は無人駅ですが、くりやまカルチャープラザと合築になっているため、なかなか立派な駅舎です。で、待合室にコインロッカーがあるのですが、これがなんと無料でした。これはいいなぁと思うのですが、無料だと、カギを持ち去って私物化してしまう人が出てしまうのではないかと、ちょっと不安になるところ。でも、その点はちゃんとケアされています。ロッカーキーはカルチャープラザにあり、利用の都度申し出るシステムになっています。
  はい、栗山駅の駅そば「マミーズショップ」のかき揚げそばです。350円。利用者が多いとは思えない駅にしては、破格の安さです。茹で麺に、いかにも配送品という感じのかき揚げではありますが、つゆはなかなか美味しかったです。昆布出汁が濃厚な一杯。
  この店は、もともとはカルチャープラザ内の休憩所でドリンクやお土産などを販売していたのですが、最近になってそば・うどんを始めたとのこと。地元の主婦や高校生が交代で店番しているよう〈推測です〉で、やり取りのぎこちなさが妙に新鮮でした。
  突然ですが、滝川から先はバスで移動することになりました。大雪の影響で、根室本線の滝川・富良野間がストップしてしまったので。こういう時に、ちゃんと代行バスを出してくれるとありがたいですね。もちろん、北東パスで乗車できました。時間は大幅に遅れることになってしまいましたが、帯広に今日の宿をとっている以上、這ってでも動かなければなりません。
  このバスの運転手さん、たいへんです。途中の無人駅は駅前が除雪されておらず、バスが入れないので、街道沿いにバスを停め、運転手さんが下りて駅まで走り、乗客がいないかどうかを確かめていました。JR北海道の不祥事がいろいろと取り沙汰されているご時世ですが、この代行バス運行に関しては、JR北海道はとっても真摯で親切でした。
  富良野駅に到着。ここから先は、遅れながらも列車が動いていました。どうやら、一安心です。駅前には、大きな雪だるま(高さ1mくらい)。結果的に、富良野着は予定よりも2時間近く遅くなってしまいました。冬の北海道ではこういう事態も想定しなければなりません。まぁ、ある程度は雪景色を楽しみたいという目的もありましたので、良しとしましょう。代行バスに乗るという非日常的な経験もできたわけですし。
  帯広の「ホテルパコ帯広2」に宿泊して、迎えた12/30.そろそろ、年末年始休業の店が多くなり、駅そば巡りも難しくなってくる頃合い。しかし、コンビニくらいしか営業していない繁華街で、立ちそば「小もろ」が元気に店を開けていました。早速、かしわそばを注文です。
  かしわそばというと九州のイメージがありますが、北海道でも多くの店で扱っています。九州との違いは、肉のカットが大きいということでしょうか。九州のかしわそばにも独特の良さがありますが、食べ応えはこちらの方が上。上々でした。すぐ背後に、朝っぱらから酔っぱらってクダを巻く爺さんがいなければもっとよかったんですけどねぇ。ま、これも年末らしい光景ではありますが。
  やって来ました、根室駅。ここに到達したことで、個人的にはJR北海道の完乗(現役路線)を成し遂げたことになります。いかにも終着駅らしい、郷愁溢れる佇まい。旅情をおおいに盛り上げてくれます。
  根室駅から、少し歩きます。根室は、花咲ガニの産地として名高いのですが、漁場の多くはロシア領にあり、ロシア船から買い付けているのが現状。つまり、根室にはロシア人たちが上陸する機会も多いわけで、市内のあちこちでロシア語を目にします。交差点でも、このとおり。街なかでそれらしい人を見ることは少ないようですが、異国情緒があります。
  今日は、大晦日。この夕陽が、2013年最後の夕陽となります。小高いところから眺めることができたので、一応写真に撮っておくことにしました。
  歩きついた先は、JR東根室駅。ここが、日本最東端の駅になります。根室駅が最東端だと思っている人もいると思いますが、根室本線は根室の市街地をぐるっと回り込んで終着の根室駅に到達するので、ヘアピンカーブの懐に位置している東根室駅の方が東になるのです。駅舎すらない無人駅ですが、記念写真用の碑が建っていて、ポツポツと観光客もやって来ます。
  前編はここまで。迎春紀行は、後編のお楽しみです。

戻ります。