倉庫73:’13春の甲子園見参ツアー(前編)

  恒例の甲子園観戦ツアーなのですが、ついでに九州まで足を延ばしたこともあって盛りだくさんの旅路になってしまったので、前・後編に分けます。分けたうえで、かなり端折ります。じゃないと、このページを作るのが苦痛になってしまうので。
  中央本線方面から西へ進みまして、松本駅前の「イイダヤ軒」で朝食です。天玉そば。「古き良き立ちそば」という味覚で、泣けてくる一杯でした。店の外観7・内装も昭和40年代で時間が止まっているようで、郷愁を誘います。こういう店が、少なくとも私が死ぬまでは残ってほしいものです。
  2杯目は、広丘駅前の「福寿そば」で、きのこそば。生ではなく水煮ですが、いろいろな種類のキノコがたっぷり乗っていて、食べ応えのある一杯でした。きのこそばは、店によって使うキノコの種類がまったく異なるので、楽しいですね。反面、当たり外れが大きいメニューでもありますが。この店は、秩父鉄道沿線の「秩父そば」と肩を並べる、「当たりきのこそば」です。
  初日は、新今宮駅前の安ホテル「サンプラザホテル」に泊まります。3畳間で、風呂もトイレも共同。風呂は、17〜24時の間しか入れない(他に、24時間利用できるコインシャワーがある)という悲惨な条件ですが、1泊1600円というカプセル以下の価格設定がたまりません(もっと安い部屋もあります)。従来の定宿「アルデバラン」が外国人バックパッカーに占領されてしまった観があるので、今後はこちらが定宿になりそうです。ぐっすり眠れて、テレビとエアコンがあるだけで、充分。他には何も要りません。
  部屋の窓を開けると、眼下に新今宮駅があります。大阪周辺のどこへ行くにも便利な立地。このエリアには、他にも多くの安宿がひしめいています。今後も新規開拓を重ねる可能性はありますが、なにしろ駅歩0分という好立地は魅力的。特段の不具合が発生しない限り、わざわざ冒険する必要はないかなという気がします。
  さて、春の甲子園に乗り込みます。大会2日目ですが、お客さんは少ないですね。やっぱり、夏に比べると、春の甲子園は今一つマイナーというか、夏の前哨戦のような雰囲気がありますのでね。
  第1試合は、いわき海星(福島)vs遠軽(北北海道)。21世紀枠で選抜された高校同士の対戦です。1回戦なのですが、特に遠軽のアルプスは大応援団で埋まっていました。初出場で、しかも史上最北の甲子園出場校ということもあって、遠路はるばる応援に駆け付けたのでしょう。
  試合は、淡々とした投手戦で推移し、3−0で遠軽が勝利。あんまり印象に残らない試合だなと思ったら、史上2番目に短い(1時間16分)試合だったそうです。
  第2試合。その前に、始球式の模様を。どういう風の吹き回しなのでしょうか、今日は4試合すべての開始前に始球式が行われました。東日本大震災の被災地の学校の球児がマウンドに上がっていました。今大会は21世紀枠のほかに「東北絆枠」が設定されるなど、全体的に東北地方に肩入れする大会だったように思います。気持ちはわかりますけどね、甲子園はもっと平等であってほしいなと思う部分もあります。
  今大会は第85回記念大会ということで、例年よりも4校多い36校が出場。そのため、第2試合から早くも2回戦に入ります。その先陣を切るのは、宇都宮商(栃木)と鳴門(徳島)。宇都宮商は、甲子園ではあまり聞かない校名ですが、投手陣のレベルが高いと評判になっていたので、注目でした。
  試合は、予想通りの投手戦になりましたが、甲子園では鳴門の方が一枚上。2−1で僅差の試合を制しました。春の甲子園は、気温が低いこともあって投手がへばりにくいので、前評判の高い投手が評判通りにいいピッチングをする試合が多いですね。
  第2試合が終わったところで、昼食を摂りに一度梅田へ出ます。目当ては、阪神百貨店地下のフードコートで食べられる、姫路名物の「えきそば」。あの有名な「えきそば」が、梅田で食べられるのです。お値段、350円。姫路と同じ価格です。
  味は姫路と変わらないはずなんですけどね、情緒にかけるからなのでしょうか、特段の感慨はありませんでした。というか、フードコート内なので、他の飲食店から漂ってくるソース等の臭いが辺りに充満していて、胸が焼けました。大阪人、ソース好きすぎです。
  甲子園に戻ります。春の甲子園にも、夏同様に大会歌があります。夏の「栄冠は君に輝く」ほど有名ではないのですが、谷村新司さんが歌う「今ありて」という歌。これがねぇ、かなりいい曲&歌詞なんですよ。
「今ありて 時代も 連なり始める」
というフレーズが、特に心に響きます。毎試合、5回裏終了後のグラウンド整備に際に球場内に流れるのが楽しみです。
  さて、第3試合。聖光学院(福島)と益田翔陽(島根)の対戦。第2試合よりもさらに極端な、甲子園常連の強豪校と新鋭校の対戦です。益田翔陽がどこまで食い下がれるかが焦点になる試合でしたが、3失策と浮足立ってしまい、8−0の大差で聖光学院の勝利。益田翔陽も、小技に足を絡める(写真)など攻撃に工夫は見られましたが、相手が強すぎたということでしょう。
  甲子園には、家族連れも多く訪れます。すると、当然ながら迷子も多いわけです。場内でも、よく迷子や尋ね人のアナウンスが流れます。備えあれば憂いなしということで、小さなお子さんを連れて行くときには、あらかじめこの「まいごワッペン」をつけてみてはいかがでしょうか。これさえあれば、迷子になっても安心……ということではないでしょうが、場内でアナウンスされるような恥ずかしいことにはならないで済むのではないでしょうか。
  第4試合は、盛岡大付(岩手)と安田学園(東東京)の対戦。安田学園は、現巨人の正捕手・安部選手の母校として、今大会注目を集める一校でした。試合は、一進一退の接戦で推移しましたが、最後には打力で勝る盛岡大付が4−3でサヨナラ勝ち。
  東京って、それなりに強豪校が多い地区なので、予選で波乱が起きやすいんですよね。だから、意外と5、6番手くらいの実力と目される学校が甲子園に行くケースが多い。そうすると、全国の舞台ではなかなか勝てないわけで。特に東東京地区はその傾向が強い気がします。
  こちら、甲子園外野スタンドの最上段。この席、かつては特等席でした。夏場は風が通って意外に涼しく、しかも地べたに座って(胡坐をかいて)、フェンスにもたれかかって観戦できたんです。しかし、スタンドが改装されて、最上段にも座席が設置されてしまいました。ちょっと残念。
  1日だけ甲子園を観戦して、すぐに夜行バスで博多へ飛びます。夜明けと同時に、博多に到着。博多駅、立派になりましたね。前回来たときには工事中で、見るも無残な姿でしたが。やっと、県都の駅らしくなりました。個人的には、昔の黒(というか茶色というか)基調の駅舎の方が好きでしたが。
  まずは、博多で一杯。駅舎と地下通路&ペデストリアンデッキで直結している、博多バスターミナルの1階にある「八媛」で、ごぼう天そばを。九州に来たら、丸天と並んで必ず食べたいメニューです。ゴボウって、それほど好きではないのですが、不思議と九州に行くと食べたくなるんですよね。
  この店のごぼう天は、スライスの単独揚げ。わりと厚くカットされているので、歯ごたえがあって美味しかったです。
  続いて、熊本駅「まるうまうどん」で、火の国そばというご当地メニューをいただきます。トッピングされているのは、桜肉(馬肉)と辛子レンコン。どちらも熊本名物ですね。馬肉はもちろんですが、和辛子を多用している辛子レンコンも、意外とよく合っていました。
  熊本駅の駅そばは、6〜7年前に「音羽家」が閉店して以来空位状態になっていましたが、新幹線の開業と前後してこの店がオープンしました。熊本駅に限らず、「駅そば」という観点では、新幹線の開業はプラスに作用しているようです。
  こちらも新幹線が乗り入れている、新八代駅。改札外にある「八代茶屋」で、月見そば。ちくわが3枚乗っていますね。上の熊本駅では、4枚乗っています。これがある種、西日本の特徴。カマボコやナルト、ちくわなどは1枚ではなく2枚以上乗せる店が多いです。
  新八代駅前では、桜が綺麗に咲いていました。今年は桜の開花が早く、咲いている期間が長かったので、九州と関東で同時に楽しめる状態でした。
  この日は、鹿児島中央駅近くの仮眠室付き銭湯「太陽ヘルスセンター」で一泊します。大広間を長テーブルで仕切って布団を敷くだけの仮眠施設で、男女同部屋。健康ランドやサウナの方が快適という人が多そうですが、アットホームな雰囲気が好きで、これが2回目の利用になります。
  ただ、残念なことに、階下にあった24時間営業のスーパー「まるい」が閉店してしまっていました。近くにコンビニや弁当店はありますが、やっぱりちょっと味気ないですね。コインランドリーは健在です。
  翌朝の朝食は、鹿児島中央駅の駅そば「パティオ」のつけあげそば。新幹線改札内なので18きっぷでは食べることができません。わざわざ入場券を買って、食べに入りました。つけあげというのは、要するにさつま揚げなのですが、関東人が連想するさつま揚げとはちょっと違います。青魚を使っていて、じゃこ天のような生臭さとじゃりじゃり感があります。つけあげからも出汁が出るので、そばのトッピングに適しています。
  ちなみにこの店が、駅舎内の店としては、日本最南端の駅そばになります。
  今日は、少し観光をします。鹿児島中央からJR指宿枕崎線に乗って、南へ。この列車のカラー、南国っぽくていいですね。
  二月田駅で降りて、少し歩きます。写真は、指宿市役所付近のヤシ並木。こういう風景を見ると、「南国に来たなぁ」という実感が湧いてきます。
  JR山川駅。JR最南端の有人駅です。国道に面しているので車はそれなりに通りますが、市街地から少し離れたところにあるので、周辺には特に何もありません。1軒だけ、ちょっと大きめの食堂があり、幟がたくさん立っていて賑やかです。この食堂、2階部分がライダーハウスのような簡易宿泊所になっていて、バックパッカーやツーリング愛好家の間で人気を博しているようです。
  山川駅から、山川港の入江をぐるりと回り込んで歩くこと25分くらいで、旧山川町(合併して、現在は指宿市の一部)の中心部へ。この街なかに、道の駅「山川港活お海道」があります。ここで、昼食にきっちゃげ天バーガーを2つ買い食い。いつの日か、これが二匹目のドジョウになってくれることを夢見つつ……。
  きっちゃげ天というのは、要するにさつま揚げです。注文してから揚げるので、アツアツで美味しいです。ただし、作るのに時間がかかります。20分くらいかかったでしょうか……。
  山川駅から、鉄道の旅に戻ります。ほどなく、西大山駅に到着。ここが、JR日本最南端の駅になります。乗客の大半が一度列車を降り、写真を撮るだけ撮ってまた車内に戻ります。1〜2分ほどの停車時間を設けているのですが、その間、「最南端の駅碑」前は人だかりになります。みなさん、端っこが好きなんですね。特に中国人観光客が多かったのが印象的でした。
  この周辺では、車窓から開聞岳が綺麗に見えます。見事なまでの円錐形。高さはそれほどではない(924m)ですが、形の美しさは全国でも指折りだと思います。
  終点の枕崎駅に到着。枕崎駅は、かつては現在の駅よりも100mほど北にあったのですが、その敷地にスーパーが建ち、駅が移転しました。それに伴って駅舎のないホームのみの駅になってしまっていたのですが、なんと、新駅舎が造られるようです。ローカル線とはいえ、市の代表駅ですからね、駅舎がないのではちょっと寂しい。あまり規模の大きなものにはなりそうもなく、駅そばなど入るわけもありませんが、嬉しいことです。工事作業員に聞いたところ、来月(2013年4月)完成予定とか。近々、もう1回来ることになるかもしれませんね。
  前編はここまで。北上の旅路は、後編で。

戻ります。