倉庫70:伊豆熱川公私の私ツアー

  いきなり豪勢な写真からスタートします。昼過ぎに東京を出て、伊豆熱川温泉へやって来ました。小田原までは高速なのであっという間だったのですが、伊豆半島に入ってからが結構遠いですね。まぁ、私は後部座席で寝ているだけだったので、あっという間でしたが。だから、写真もないわけです。
  写真は、今回2泊した熱川グランドホテルの夕食。名のある温泉地にしては安いホテルなんですけどね、食事は結構豪華でした。
  ホテルの廊下から外を見ると、いたるところから湯気が上がっています。源泉掘削井戸があちこちにあって、24時間お湯が汲み上げられています。これだけ汲み上げて、よく枯れないものだなと思います。空っぽになって、地盤がその分沈んでしまうんじゃないかと、心配になるのですが。でも、温泉地らしい風景が堪能できて、なかなか情緒があります。射的屋やボットル屋などもあって、昭和の臭いがする温泉街です。
  一方、バブル期に設置されたもののその後閉鎖され、廃墟と化している施設もたくさんあります。このテニスコートもそう。ずいぶん長い間、放置されているようです。かつては夏場に賑わったであろう海辺のプールなんかも、砂利が敷き詰められた状態で廃墟になっています。
  今回の旅が平日だったからということもあると思いますが、熱川グランドホテルの宿泊客も、ほぼ全員高齢者でした。かつてサラリーマンの慰安旅行が主だった頃のような賑わいは、もうこの街にはありません。寂しいですね。
  さて、今日は熱川から歩いて南下します。この辺りは、国道135号以外に道路がなく、しかも国道135号には歩道がないので、歩くにはあまり適しません。伊豆急行主催のウォーキングラリーがあるくらいだから、もっと歩道がよく整備されているかと思っていたのですが、期待が外れました。道幅も狭めで、カーブが多く、トラックもガンガン通るので、危険です。特に、トンネルが危険。
  写真は、沿道を彩るアロエの花。アロエって、冬に花が咲くんですね。
  歩道がなく、ということは歩行者もほとんどいないので、沿道は野生動物の宝庫になっています。ふと崖上を見上げると、野生のサルがこちらの様子を窺っていました。日光のサルのように、エサを求めて降りてきたりはしません。完全な野生です。
  稲取の温泉街が見えてきました。この辺りは勾配も急で、険しい旅路。しかし、景色は素晴らしいです。稲取温泉は、熱川と並んで東伊豆町の名高い温泉街。熱川よりも平地が広く開けているので、ホテルや土産物店だけでなく、民家も多くあります。温泉街と一般住宅地が織り交ざった、不思議な街並みが広がっています。
  稲取からさらに南下を続け、河津まで歩きました。河津もまた温泉地なのですが、温泉街という感じではなく、普通の街並みです。ただ、河津川沿いに足湯がたくさん設置されていて、いずれも無料で利用することができます。
  写真は、「さくらの足湯処」。ちょっと改修工事が入っていて落ち着かなかったですが、利用することはできました。
  河津川に、こんな飾りというかオブジェがあったのですが、これ、伊豆半島のあちこちで見かけました。正月の伝統的な飾り物なのでしょうか。
  続いて、河津の市街から少し内陸部に入ったところにある、峰温泉大噴湯公園へ。本来ここへ行く予定はなく、下田まで歩こうと思っていたのですが、河津から下田までが思いのほか遠く、ホテルの夕食に間に合わなさそうな気配になってきたので、河津で観光をして熱川に戻ることにしました。
  大噴湯公園のメイン施設は、この大噴湯。要するに、湧き出た温泉が空高く吹き上がるというものです。普段は、旅館などへお湯を引いているため噴湯していないのですが、観光客を楽しませるため、1時間に1回、噴湯シーンを見ることができます。
  50mも噴き上がるということで楽しみにしていましたが、実際には20mくらいだったように思います。消防の放水のような感じ。近くで見ていると、飛沫をもろにかぶることになります。源泉は100度近くあるのですが、吹き上げられたお湯は急速に冷め、飛沫はむしろ冷たいです。
  公園内にも、足湯があります。「さくらの足湯処」と比べると、かなりぬるいです。「さくらの足湯処」は、10分も浸かっていると足が真っ赤になるくらいに熱かったのですが、こちらはむしろ、一度入ると出るときに寒くてなかなか出られない、という感じ。
  ちょうど、地元ローカルテレビ局の取材が来ていたのですが、リポーターも辛そうでした。カメラが回っているときの笑顔とは、まったく別の顔。テレビって、そんなもんですよね。
  もう一つ足湯を。こちらは、公衆浴場の屋上部分が足湯として整備されている「河津三郎の足湯処」です。無機質なたたずまいではありますが、河津川の清流を眺めながらお湯を楽しむことができます。
  ちなみに、階下の浴場は、一般観光客は利用できません。地元住民専用です。かつては観光客も受け入れていたようなのですが、マナーが悪いというよくあるパターンで締め出してしまったようです。ただ、さくら祭りが開催されている期間に限り、観光客にも開放しているとのことでした。
  河津町内では、このような飾りをよく目にします。普通の石ころにペイントを施したものなのですが、一つ一つ形が違うので、これはこれどぇ面白いアートだな、と思います。たくさん並んでいると、結構壮観です。
  熱川への戻りは、伊豆急行で。伊豆急行は、下田でどん詰まりになるローカル線ですが、沿線に観光地や温泉地が多く、観光客の利用も多いので、あまり鄙びた感じがありません。普通列車の車両も、6両連結されていました。
  2日目も熱川グランドホテルに泊まり、最終日。河津から天城峠を越えて、東京へ帰ります。
  道中あちこち寄りながら観光して回りました。まずは、河津七滝。七滝と書いて「ななだる」と読みます。まぁ、小さな滝が7つあるよ、という感じで。観光客向けの食堂や土産物店なども結構あるのですが、悲しいくらいに閑散としていました。
  写真は、道端で見かけたイノシシの子ども。飼われているようです。
  なぜこんなにも閑散としているのか。その答えのひとつが、これでしょうか。一昨年の台風で壊滅的な被害を受けて、現在も遊歩道の一部が通行できないままになっています。七つの滝のうち、もっとも大きな「大滝」が眺められない状態。これでは、観光客もなかなか戻ってこないでしょうね。復旧工事が進められているようなので、一日も早い復旧を願いましょう。
  昼食は、道の駅「天城越え」で。シシ丼とシシそばのセットをいただきました。ワサビシュウマイとプリンがついて、1050円。ボリューム感のわりには、かなりリーズナブルです。
  イノシシの肉は臭いと思っている人が結構多いようですが、そんなことはありません。淡白で美味しいです。多少固いですが、難なく喉を通ります。
  最後に一か所、浄蓮の滝に寄ります。こちらは、国道沿いの交通の便が良いところにあることもあって、そこそこ賑わっていました。駐車場を囲むように、食堂や土産物店があります。滝は、土産物店街の裏から、階段をひたすら降りた先にあります。「行きはよいよい帰りはこわい」のパターンですね。
  滝の規模はそこそこ大きく、落差は25mあります。日本の滝100選に選ばれています。
  滝そのものよりも面白かったのが、これ。滝のすぐそばに売店があって、その周囲にひっそりとわさび畑があります。収穫物を地上(駐車場)に上げるためでしょうか、階段に沿ってトロッコの軌道が敷かれていたのが印象的でした。伊豆と言えばわさび、わさびと言えば伊豆ですから、これは伊豆らしい光景です。最後の最後に、予期せぬ「いいもの」を見ることができました。

戻ります。