倉庫67:瀬戸内悠々公私混同ツアー

  例によって、山手始発→東京駅から東海道線というミッチリ行程で始まります。かつては、このスタートだと、5:20東京発静岡行きという、たいへん条件のいい列車に接続していたのですが、近年のダイヤ改正でこの時間の東海道線は沼津行きに変わってしまいました。静岡行きだった当時には特急車両が運用されていて、快適な「おいしい列車」だったのですが、今の沼津行きは普通車両です。
  今回の旅行は、旅先で「毎日漫歩する」ということを第1のテーマにしています。初日は、名古屋周辺を歩きました。金山から、清洲まで。
  写真は、名古屋の中心地・栄から南西1kmほどのところにある、大須観音。ゴチャゴチャした商店街の真っただ中にあります。この付近だけ空が開けているので、ちょっと落ち着きますね。大都市部で少し心を落ち着けたいときには、神社・仏閣へ行くに限ります。
  東海道線の旅に戻ります。写真は、大垣駅のホーム。結構雪が積もっていました。毎年冬には雪景色目当ての旅をするのですが、今回は特にそういうつもりはなく、ちょっと予想外の積雪でした。今シーズンは、全国的に雪が多いようですね。
  京都を超えて、長岡京駅で途中下車。少し歩いて、JRと並行して走っている阪急京都線の長岡天神駅へ。この駅には「阪急そば」があるということを知っていたので、予定どおりの実食です。
  写真は、「スタミナそば」。天ぷらと卵のトッピングなので、関東では「天玉そば」と呼ばれることが多いメニューですが、これを関西では「スタミナそば」と表記する店が多いです。ラーメンで言えばチェーシュー麺に相当する、トッピングのゴールデンコンビですね。
  冬場の旅の楽しさに、イルミネーションがあります。どういうわけか、夏よりも冬の方が、イルミネーションが煌びやかなんですね。夜が長いからでしょうか。
  写真は、JR西明石駅前のイルミネーション。なんだか、「お菓子の家」みたいで、メルヘンチックですね。
  今日の宿は、夜行フェリーです。個人的にはすっかりお馴染みになった、ジャンボフェリー(神戸→高松)の夜行便で夜を明かします。1800円で足を延ばして寝られるので、お気に入りなんです。携帯の充電もできるし、寝ている間に移動までできてしまうし。どういうわけかバスルームが使えないのが、ちょっと残念なところなのですが。シャワーだけでも開放してほしいところです。
  以前に乗った時には、夜行便では売店の営業がなかったように記憶しているのですが、今回は営業していました。おばちゃんに聞いたところ、「以前から営業しているよ」とのことでしたが、このおばちゃんはまだ入社して1年で、それ以前のことは分からないそうです。
  というわけで、船内できつねうどんをいただきました。特別どうということもない味で、おそらく高松に上陸してからの方が安くて美味しい店に巡り合える確率は高いのですが、なんとなく食べずにいられませんでした。値段は400円です。そばには対応していません。うどんのほかには、大判焼、おでん、焼肉丼、コーヒーなどを扱っています。
  夜明け前に、高松港に到着。高松港は高松市街からちょっと離れていて歩くと40分くらいかかるのですが、無料送迎バスが走っているので、ぜひこれを利用しましょう。フェリー到着後、わりとすぐに出発するので、これに乗るつもりがあるのなら、トイレなどは済ませてから下船するようにした方がいいです。
  旧型のバスで、乗り心地はお世辞にも良いとは言えませんが、なにしろタダですからね。基本的に停留所(降車地)は高松駅前と琴電の高松築港駅前だけですが、申し出れば途中で降ろしてもらうこともできるようです。まぁ、途中には旅人が降りるようなところはないと思いますが。
  JR高徳線の始発列車で徳島へ。ホームにある駅そば「麺家れもん」で朝食をとります。徳島駅ホームというと、かつては階段下に「かけはし」があったのですが、閉店して、一時的に徳島方駅そばがなくなってしまっていました。しかし、2011年12月に、地元の社会福祉法人が運営する店がオープンして、駅そばが復活しました。
  写真は、祖谷そば350円。太く切れやすい素朴な麺で、いかにも祖谷そばらしい一杯です。ちゃんと、カマボコと刻み揚げを乗せているところが嬉しいですね。
  高徳線でとんぼ返りして、志度駅から屋島駅まで歩きました。JR高徳線と琴電が並走しているエリアです。地方で漫歩するなら、絶対に私鉄沿線がオススメです。なぜなら、ローカル私鉄は駅間が短いから。言い換えると「街と街の距離が短い」ということになるわけで、飽きないんですね。
  写真は、琴電志度駅近くの住宅街の中にある、石槌山奉献燈籠。江戸末期に漁船の道しるべ(灯台のようなもの)として建立されたそうですが、建立者の弟が石鎚信仰に熱心だったとかで、石鎚神社の奉献という形になりました。この辺りでは、今でも石鎚講が盛んに行われているそうです。
  漫歩ルート上に道の駅「源平の里 むれ」があったので、ちょっと寄ってみました。昔ほど車で長距離の旅をする機会がなくなっていて、近年は道の駅に立ち寄るペースも落ち気味なのですが、最近はこのように漫歩途中に立ち寄るなど、手を変え品を変え、訪問件数を伸ばしています。
  施設自体は特にこれといって面白いものではなかったのですが、ちょっと面白い看板が出ていました。都会に暮らしていると、その辺に生えているキノコなんて絶対に手を出そうと思わないのですが、こちらの方では食べちゃう人が結構いるんですね。キノコって、「似て非なるもの」が多いから、目利きが難しいんですよね。
  昼食は、琴電の大町駅と、JRの八栗口駅のちょうど中間くらいのところにあるセルフうどん店「とんぼ」で。駅と駅のちょうど間といっても、両駅間は徒歩5分くらいなので、どちらの駅からでも歩いて行けます。駐車場がある店なので、車でも行けます。
  この店は、安くて美味くて、そしてワイルド。ボリューム感がすごいんですね。写真は、しっぽくそば(全メニューそばに対応している)とゲソ天なのですが、うどんには丼からこぼれ落ちんばかりに具材が盛りつけられています。これで300円。ゲソ天も、「いったいどんだけ大きなイカなんだろうか」と呆れるほど、大きいです。丼に収まりません。これが100円。ありえない安さですね。さすが、「うどん県」を名乗るだけのことはあります。
  琴電の屋島駅前から、屋島を望みます。結構急峻な山で、山頂付近の断崖が独特な景観を生み出しています。写真左の方に、山頂へ向かって軌道のようなものが伸びているのが見えますが、これは屋島ケーブル跡。かつてはケーブルカーが運行されていましたが、2004年に廃止(運営業者の破綻)されてしまいました。現在、山頂へは屋島ドライブウェイを使って自家用車で行けるほか、JRおよび琴電の屋島駅前から山頂行きのシャトルバスが連絡しています。このシャトルバスは片道100円で乗車できるので、たいへん便利です。
  JR予讃線でグイグイ西へ進みます。そして今治駅で途中下車して、駅弁業者「二葉」の駅そばを。まだ夕食には早い時間帯ですが、なにしろ夜が早いエリアですのでね、早めに食事を済ませておくことにしました。
  四国でお馴染みの「じゃこ天そば」に、鯛めしをプラスしてみました。全体的に、ちょっと値段が高いですが、味は悪くなかったと思います。セルフ形式のおでんも扱っていて、酒を飲むこともできます。いろいろなシーンで使えそうな店でした。
  八幡浜から、九四オレンジフェリーで九州(臼杵)へ渡ります。別府行きを含め、この航路には夜行便が設定されているうえ、一部の夜行便には到着後の船内休憩オプション(無料)がついているので、私のように一夜の宿代わりに使いたい人にとってはたいへん便利です。
  別府便の方が乗客が多くてダイヤの便もいいのですが、私は乗ったことがなかった臼杵便を利用してみました。こちらの方が若干安いということもあり。
  臼杵便、存続が危ぶまれるほど空いています。この日、夜行便に徒歩(車両なし)で乗船したのは、私ひとりだけでした。
  臼杵港のフェリーターミナルも、ご覧のとおりガランとしています。売店がありますが、夜間は営業していません。なにしろ、徒歩乗船したのが私だけなのですから、ターミナル内には誰もいるはずがなく。夜行フェリー、もっと流行っていいと思うんですけどねぇ。
  JR日豊本線と久大本線を乗り継いで、湯布院へやってきました。いやぁ、空気が凛と張りつめています。結構標高が高いんですね。臼杵や大分あたりと比べると、かなり寒いです。朝靄が降りていて、幻想的な景色でした。駅前の土産物店街もまだ寝静まっていたので、人影がなく、なおのこと幻想的。時間の経過とともに靄が晴れていくさまが実感できたので、早朝の、ほんのひと時だけ見られる光景なのでしょう。
  湯布院で食料を調達することができなかったので、日田で途中下車して遅めの朝食をとります。駅構内には駅そばがなかったのですが、ちょっと足を伸ばして駅前のバスセンターに行ってみたところ、待合室内に「大正庵」がありました。こちらで、月見そばをいただきます。写真を見ると、何そばだかわからないですが、カマボコ・イモ天・とろろ昆布は、すべてデフォルトで乗っているトッピングです。プラス、無料で入れ放題の天かすを入れています。だから、麺がまったく見えないくらいに賑やかです。値段が高いのでね、正直に言うと「もっとシンプルでいいから、値段を下げてよ」ということになるのですが。味は、九州らしい薄味で、なかなか美味しかったです。
  日田からは、JR日田彦山線に乗ります。田川後藤寺以南は、初乗車となる路線です。期待どおりのローカルムードですね。車両が2両連結されていたのがちょっと意外でしたが。
  途中下車したのは、彦山駅。ここから、漫歩開始です。彦山駅前には土産物店や食堂などが連なっていて、観光地の雰囲気があります。駅舎内にもアート工房を兼ねた喫茶店があります(営業していませんでしたが)。
  昨日と同様に、歩いて道の駅に立ち寄ります。とはいっても、道の駅「歓遊舎ひこさん」は、同名のJR駅が併設されているんですけどね。こちらで降りれば、徒歩0分で道の駅に立ち寄れます。私は漫歩したいという事情があったので、彦山駅から歩きましたが。
  この駅は、なかなか楽しめます。レストランは2つあるし、物産館の規模も大きいし、遊具がたくさんあるミニ遊園地のような施設を備えています。レストランは、1つはバイキング形式のもの、もう1つは麺類中心のファストフード感覚のものです。JR駅併設ですから、駅そば感覚で利用できます。私もここでごぼう天そばを食べたのですが、写真を撮り忘れたので詳細は割愛します。
  漫歩は、豊前川崎駅まで。今日は12月13日ですが、早くも門松が出されていました。気が早いですね。
  彦山・豊前川崎間を歩いてしまったので、この区間が未乗のまま残ってしまいました。要・再訪問ですね。まだまだほかにも未乗路線がたくさんあるので、気長に乗り潰していきたいと思います。
  九州とは、1日滞在しただけで早くもお別れです。また近々訪問する予定があるので、その時にゆっくりと。
  ここまで、2日連続で夜行フェリー泊だったので、今日はしっかり湯船に浸かりたいということで、ビジネスホテルをとりました。JR防府駅から徒歩2分の、「えびすや」です。場末の雑居ビルのように見えますが、れっきとしたホテルです。……いや、「れっきとした」と言っていいかどうかは微妙か(笑)
  シングルは、1泊2000円(楽天経由)。バス・トイレは共同。フロントも、なんだか工事現場の飯場のような雰囲気。でも、部屋は結構清潔でした。また利用する機会があると思います。
  今日は、広島市内を歩きます。もう何度か歩いているんですけどね、街の規模が大きいので、まだまだ歩き足りない印象があります。未食の駅そばも多数存在確認している街なので。
  広電の十日市町駅近く(十日市交差点)で、面白いオブジェを発見。この見張り台のようなもの、何でしょうかね。調べてみたところ、これは広電の操車塔(信号塔)で、電車のポイント切り替えを行うための施設だそうです。十日市交差点は、広電の本線と横川線が分岐するポイントで、軌道のポイント切り替え操作が必要になります。それを、かつてはこの施設で行っていたのだそうです。現在は自動で切り替えられるようになったため、この操車塔もいわゆる「トマソン」になってしまったわけですが。こういうものを撤去せずに残しておくあたりが、観光客目線で見れば微笑ましいですね。地元住民にとっては、邪魔なのではないかという気がしますが。
  横川駅改札外、切符売り場の隣に知らない間にオープンしていた駅そば「むさし」で、昼食。西広島にもある「むさし」、広島市内限定のローカルチェーン店ですね。
  変わりメニューの「元気そば」を試してみました。メニュー名からは内容がまったく想像できなかったのですが、ほほぅ、あんかけそばでしたか。ニンニクが結構強く効いていて、なかなか美味しゅうございました。難点は、値段と「熱さ」ですかね。アツアツのあんがなかなか冷めないので、食べるのに時間がかかります。小分けする皿とレンゲを用意してくれるのがありがたいです。
  漫歩はさらに続き、広島駅を超えてマツダスタジアムへ。この球場にも、1回はきちんと観戦目的で訪れたいと思っているのですが、なかなかタイミングが合わず……。今日も、12月なので当然ストーブリーグで、試合はありません。
  この球場には、さまざまな「変わりスタンド」があることで知られています。掘りごたつとか、バーベキュー設備のあるシートとか。そして、入場券を買わなくても観戦できる「ただ見エリア」というのもあります。もっと言うとね、実はJR山陽本線の車内からでも、一瞬だけグラウンドが見えたりします。
  海田市駅まで歩いて、あとはJR山陽本線で東を目指します。その途中、岡山駅で乗り継ぎのために下車したので、改札内にある未食の駅そば「吉備」に立ち寄ります。この店、かつてはうどん専門でそばは扱っていなかったと思うのですが、現在は全メニューそばにも対応しています。
  写真は、月見そば。ワカメとカマボコで彩りを添えているので、ちょっと華やかに見えます。
  今回の旅も、そろそろ終盤。最後の夜は、近鉄の布施駅と河内永和駅のちょうど中間くらいのところにある健康ランド「湯〜トピア」で過ごします。またまた安上がりな策をとったわけですが、今回の旅の中では、実はここが最も高い宿泊出費になります。深夜料込みで、2310円。充分安いんですけどね、昨日のビジネスホテル2000円と比べてしまうと、ちょっと。
  館内は、健康ランドというよりもサウナのような雰囲気。ついつい、フルチンや下着姿で歩きたくなるのですが、女性も利用できる施設ですので、そこは要注意。館内で飲食すると結構高くつくので、寝るだけと心に決めて利用するのがいいと思います。
  最終日も、歩きます。「湯〜トピア」から、高安駅まで。近鉄奈良線&大阪線に沿って歩きました。
  写真は、近鉄奈良線の急行停車駅・東花園駅前にて。この駅、変わった構造ですね。上りと下りのホームがかなり離れていて、駅舎も別々になっています。目下大がかりな整備工事が行われているので、将来的には現在の下り線の駅舎で統合されそうな気配ですが。
  高安駅でも月見そばを食べたのですが、写真がないので省略します。変わって、帰りがけの駄賃で食べた浜松駅「自笑亭」の月見そばで締めくくることにしましょう。お気づきの方も多いかもしれませんが、最近、月見そばを各地で食べる機会が増えています。ちょっと集中的に研究したいと思いまして。月見そばも、地域によってちょっと違いが出るメニューなのでね。まだ研究途上なので、この場で種明かしはしません。まぁ、今後のお楽しみということで。


戻ります。