倉庫122:’17春の甲子園見参ツアー

  今回も、タイトルこそ甲子園になっていますが、本質的には温泉本執筆のための取材旅行です。温泉本の中に足湯コラムを盛り込みたいと考え、駅中・駅前の足湯も少々巡ります。足湯めぐりで便利なのは、JR中央本線。東京・塩尻間には、結構足湯があるのです。そのひとつが、春日居町駅前の足湯。温泉地としてはマイナーな駅だけに、穴場感があります。もちろん、無料で利用できます。
  続いて、石和温泉駅前の足湯。こちらは温泉地として有名な駅ですね。観光客の姿も多く目にします。ただ、足湯の利用者はそれほど多くありません。みなさん、宿でしっかりと温泉入浴しているということでしょうか。足湯を利用するのは、地元の高齢者が中心という感じでした。
  もちろん、駅そば巡りも欠かさずに。1杯目は、小淵沢駅改札外の「観音生そば」。もうじき新駅舎が完成して、この店も移転してしまうということで、移転前の最後の一杯を食べに寄りました。いただいたのは、野沢菜天そば。この店にはご当地系メニューが多くあるので、どうしてもこちら方面に手が伸びてしまいます。きつねとか月見とか天ぷらとか、ベーシックなメニューを食べた記憶があまりないです(たぬきは食べている)。新店舗には、これらのご当地系メニューも引き継がれるでしょうか。それが最大の関心事です。
  もう1か所、足湯を。上諏訪駅ホームのにある足湯です。ここはかつて露天風呂(はだか湯)でした。おそらくホーム上としては全国唯一のはだか湯でしょう。それだけに、足湯に変わったのはちょっと残念です。でも、足湯になったことで、利用者はだいぶ増えたようです。
  塩尻駅「桔梗」で、本日の2杯目。野菜かき揚げそばです。塩尻「桔梗」というと、改札内の超狭い立ち食いカウンターが有名ですが、今回は改札外の待合室側でいただきました。でも、待合室側は背後に常に人の気配がするので、ちょっと落ち着かないですね。改札内の方が、狭いけど個人的には好きです。
  春日居町や石和温泉で駅を出た時には冷たい雨が降っていたのですが、塩尻では雪でした。コンデジで撮っても粒がはっきり写るくらいの、大粒の綿雪です。そろそろ、雪の季節は終わりにつ近づいているということでしょう。
  塩尻まででだいぶ時間を使ってしまったので、その先は少々急ぎ足。京都まで飲まず食わずでやって来ました。ここで、本日の3杯目。京都「麺家」で、きざみそば。関西を訪れると、何はさておき食べたくなるメニューです。天かすフリーも嬉しいですね。
  宿に入る前に、三ノ宮駅近くの「宮本むなし」でカレーを食べたので、一応。「旅先ではそばしか食べないわけじゃないんだよ」という、ささやかなアピールです。
  本日の宿は、こちら。神戸で宿泊するときには御用達の、神戸クアハウスです。大広間利用なら2500円で一泊できます。が、最近私はここに宿泊するときにはネットブース(またはテレビブース)を利用することが多いです。言ってみれば、ネットカフェのフルフラットシートみたいなもんです。それで3100円だと高いという印象を受けるかもしれませんが、大浴場があって、最大19時間まで滞在できます(15〜翌10時)ので、使い方次第ではネットカフェより安くつきます。予定に合わせて選ぶ、という感じになるでしょう。
  2日目は、有馬温泉の取材。朝早くに行って、まずは温泉街を散策します。有馬温泉散策の楽しみは、手持ちグルメと源泉地めぐり。手持ちグルメはこの時間帯(訪問は午前6時半ごろ)にはまだできないので、源泉地めぐりを。写真は、温泉街のど真ん中にある天神泉源。
  流れ出る温泉が、温泉街の側溝を茶色く染めます。空気に触れた途端に鉄分が酸化して茶色に変わる。これが、有馬温泉の特徴のひとつです。
  有馬温泉での入浴は後にして、一度神戸電鉄に乗って唐櫃台まで戻り、唐櫃台駅近くの鹿之子温泉「からとの湯」へ。この辺りが、温泉取材の難しさなんです。浴室内の撮影は営業時間外に行わなければならないケースが多く、有馬温泉の撮影を終えてそのまま入浴したら、鹿之子温泉の撮影ができなくなってしまうわけです。そこで、有馬撮影→鹿之子撮影→鹿之子入浴→有馬入浴というスケジュールに。結構スケジュール調整に苦労しているんですよ。
  「からとの湯」のテラスからは、神戸電鉄を望めます。湯上りの火照った体を自然の風で冷ましつつ列車を眺めるのは、最高に気持ちがいいです。
  有馬温泉に浸かる前に、有馬温泉駅の2階にある食事処「有馬茶房」で、ぼっかけうどんをいただきました。駅そば店で食べるぼっかけそばとはひと味違う、上品な一杯。この店にそばがあればなお良かったんですけどね、残念ながらうどんのみでした。
  有馬温泉の源泉巡りを続けます。こちらは、住宅に囲まれるようにひっそりと佇む、御所泉源。天神泉源と同様に、鉄分を多く含む茶色いお湯です。
  しかし、「銀の湯」の近くにある炭酸泉源は、無色透明。同じ有馬温泉でも、泉源によって泉質がずいぶん違います。有馬では、鉄分を多く含む茶色い湯を「金泉」、炭酸泉を「銀泉」と呼んで区別しています。炭酸泉源の湯は飲用可能。飲んでみると、その名のとおり少しシュワシュワします。
  温泉街のど真ん中に位置する「金の湯」は、観光客がとても多いエリアになります。「金の湯」前の足湯も、このとおり。常時満席でした。
  今回私が入浴した「金の湯」は、かつて「有馬温泉会館」という施設でした。それが一度閉館して、リニューアルしたのが「金の湯」。その名のとおり、茶色い「金泉」が名物の日帰り温泉です。それほど大きな施設ではないので、観光客が押し寄せるとちょっと窮屈。長湯タイプの施設ではないので浴室はそれほど混雑していませんでしたが、ロビーがたいへんなことに。後楽園ホールでボクシングの興業があるときの休憩時間みたいな感じでした(分かりにくかったらすみません。押し合いへし合いの混雑という意味です)。混雑を避けたいなら、「銀の湯」に行った方がいいかも。
  これで、本日の取材は終わり。急いで、甲子園へ向かいます。春の甲子園は1日3試合しかないので、終わりが早いんですね。でも、腹が減っては戦はできぬ。新開地駅で一度下車して、「新開地たつの」でぼっかけそばをいただきました。「有馬茶房」でそばを食べられなかったことを、ちょっとひきずっていたので。「有馬茶房」のぼっかけよりも、やや濃く甘辛いぼっかけ。ササッと食べるぶんには、こちらの方が私の舌にジャストフィットします。
  甲子園に到着。今日は、大会3日目。ちょうど、第2試合が終わったところでした。しまった、新開地で途中下車しなければ、第2試合も最終回くらいは観られたかもしれなかった……。
  というわけで、今回は1試合だけの観戦です。第3試合は、健大高崎(群馬)と札幌第一(北海道)の対戦。実績・下馬評とも健大高崎の方が一枚上でしたが、何が起こるかわからないのが甲子園。特に春の甲子園は、投手の出来が良いと、それだけでスルスル勝ち上がってしまうことがあります。
  どちらも東日本の高校ということで、アルプスがやや寂しい状態でした。写真は、札幌第一の応援団。空席が目立ちますね。甲子園という場所で開催する以上、近畿勢が多少有利になるのは致し方ない部分だと思います。
  注目は、健大高崎の攻撃陣。「機動破壊」を売りにするチームで、走って打ってまた走ってと、とにかくアグレッシブに攻めるチームです。こ試合でも、いかんなく発揮されました。記録としては盗塁1でしたが、ランナーの打球に対する反応など随所に藻類センスが垣間見えました。
  結果は、11−1で健大高崎の勝利。札幌第一は、初回に先制のチャンスを迎えたものの得点をあげられず、2回以降は後手後手に回ってしまった印象でした。終わってみれば、散発3安打。一方の健大高崎は16安打。格の違いを見せつけるような試合になりました。この後、健大高崎は準決勝まで進出。甲子園に出場すれば、必ずと言っていいほど上位に食い込むチームです。夏以降も、目が離せません。
  1試合だけでは物足りないのですが、明日は京都で朝から温泉の取材が入っているため、甲子園を去らねばなりません。来年こそは、もっとどっぷりと高校野球に浸りたいものです。
  宿に入る前に、阪神尼崎駅「都そば」で、ラーメンをいただきました。「都そば」は大阪の立ちそばの中では特にラーメンに力を入れていて、醤油・塩・味噌から選べます。いずれも、400円と安値です。今回は、醤油で。
  味は、いわゆるLCC系ラーメンです。特段特筆するようなものではありません。でも私は、これが好き。スープがマグマのようにドロドロしているとか、肉が小山を築いているとか、そういうのは要らないんですね、私は。
  2泊目は、新今宮の定宿・サンプラザで……と言いたかったところですが、予約していたのに満室とのことで、ジパングに流れました。最近、サンプラザはこういうことが多いですね。外国人を優先しているのかもしれません。まぁ、同じ料金でジパングに泊まれるのだから、雨さえ降らなければ良しとしましょうか(ジパングの方がやや駅から離れているので)。風呂がねぇ、サンプラザの方がいいんですよね。エレベーターも2基あるし。各階に24時間シャワーがあるし。結構、「サンプラザの方がいい」要素が多いですね。
  3日目。本日は、京都で温泉取材。その前に腹ごしらえということで、桂駅の「阪急そば」で海老天そばをいただきます。桂店には、「阪急そば」の代名詞とも言える天ぷらそばがありません。その代用メニューが、この海老天そばです。衣のつけ方が独特ですよね。まるで、海老から衣が流れ出ているように見えます。
  やってきました、渡月橋。京都は京都でも、嵯峨・嵐山エリアが今回の取材の舞台です。今日も、朝から修学旅行生を含む観光客が多く出歩いていました。
  向かったのは、こちら。京福電鉄嵐山本線・有栖川駅から徒歩3分ほどの、嵯峨野温泉「天山の湯」です。三条通りに面しているのですが、この辺りの三条通りは道幅が狭く、また駐車場などが裏に隠れている施設なので、ちょっと見つけにくいでしょうか。反面、嵯峨野のしっとりとした街並みによく馴染んでいるともいえます。外から見ると小ぢんまりした施設ですが、中は広いです。露天風呂も複数の浴槽があって、充実しています。もちろん、ごろ寝や食事もできます。
  アクセスとなる京福電車が、またレトロでいいです。路面軌道と専用軌道を交互に走りながら、住宅地を分け入るように進んでいきます。
  たとえば、広隆寺の最寄り駅として観光客の利用が多い太秦広隆寺駅。嵐山方面から来ると、ここで路面軌道から専用軌道に切り替わります。そして……
  なんとこの駅には、駅そば「京富」がありました。まさか駅そばがあるとは思っておらず、これまでほとんどリサーチをしてこなかった路線です。それだけに、感激!
  鳥なんばんそばをいただきました。写真で見ても分かるくらい、アツアツの湯気が立っています。鶏肉と九条ネギの相性がとてもよく、さらに鶏肉の皮の部分を軽く炙るというひと手間を加えてあるので、香ばしさもあって、いろいろな香り・風味を楽しめる一杯でした。
  京都の取材が終わったら、あとは東京へ帰るだけです。でも、ただでは帰りません。帰りがけにも、寄りたいところがたくさんあります。こうやって、ついでにいろいろなところに寄ることが、ネタ枯渇防止につながっているんですね。一般的なライターさんは、依頼を受けて記事を書くと、そのぶんだけ持ちネタが減ります。私の場合、記事を書けば書くほど引き出しの中身が増えていくんです。これも、私の強みだと思います。手前味噌ですみません。
  というわけで、茨木市駅近くの「たつみや」で、きざみそばを。フワフワと柔らかいきざみ揚げがつゆをたっぷり含んでジューシーになり、満足度を高めます。
  奈良県内を少し散策。この辺りは古墳がたくさんあります。人も歩けば古墳に当たると言いたくなるくらいに、頻繁に出会えます。写真は、島の山古墳。ちゃんと濠に囲まれていて、宮内庁が管理している古墳です。上陸はできません。
  加茂駅前の「芳兵衛」で、天ぷらそば。カウンター脇にセルフ形式で寿司類が置いてあったので、一皿追加しました。18きっぷで関西本線を旅すると、必ず加茂駅で乗り継ぎが発生します。だから、マイナーな駅ではあるのですが、結構駅前を散策する機会が多いんですね。この店も、ずいぶん前に発見していました。が、営業時間が短い! 休みが多い! といった理由で、なかなか食べられずにいました。今回の初食までに、5〜6回トライしていると思います。それだけに、食べられて嬉しいですね。奈良県は駅そばが少ない県でもあるので、なおのこと嬉しい一杯です。
  最後の一杯は、そばではなくラーメンになりました。豊橋「壷屋」のポンポコラーメンです。これ、気になってたんです。2015年12月に公式取材で訪れた際にメニューに加わっているのを発見して、食べてみたいと思いつつその時には別メニューの取材だったため断念していたので。
  ポンポコラーメンは、三河地方では有名なインスタントラーメンです。スーパーなどで通常販売されているものは乾麺なのですが、ここでは生麺を使用しています。あっさり鶏ガラスープの醤油ラーメン。麺は細く、強く縮れています。味は、普通でした。

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