倉庫121:中国おいしいESPツアー

  今回も、バスタ新宿からの出発。かつての代々木ターミナルからの乗車だと、付近に駅そばがない(小諸そばとゆで太郎があるが、夜行バスの発車時刻には閉まっている)ので、「乗る前の腹ごしらえ」ができなかったのだが、新宿には夜遅くまでやっている駅そばがたくさんある。というわけで、今回はかのや新宿東南口店でゲソ天そばをいただいてから出発。一気に中国地方へワープするので、当分関東風のそばとはお別れだ。もっとも、かのやのつゆは純然たる関東風ではないのだけれど。
  オリオンバスで、一路新山口駅へ。さすがに新山口まで乗ると乗車時間が長いので、LCC系は疲れる。かといって3列シートだと、10000円超えになる。大阪・岡山・広島と経由する便なら、運よく隣の人が途中で降りてくれるという可能性もあるのだけれど、それもギャンブルなのでねぇ。う〜む、次回以降どうするか、悩ましいところだ。
  今回の旅は、未食駅そば潰しの前に、単行本執筆のための温泉取材という色合いが強い。なのだけれど、今こうして旅の記憶をつづっていると、かなり駅そば巡りが主目的な感じになっているなぁと感じる。まぁ、これも今後の著作活動の布石にはなっているんだけど。
  最初の1杯は、新山口駅「味善」の岩国れんこん天そば。レンコンの天ぷらではなく、さつま揚げ(=当地では天ぷら)に岩国レンコンのスライスを貼りつけたものがトッピングされる。注目すべきは、レンコンの穴の数。9つ空いている。これが岩国レンコンの特徴なのだそうだ。一般的にレンコンの穴は8つなのだが、実は切る場所によって8つになったり9つになったりするらしい。
  連食で2杯目を。山口駅「味一やまぐち」で、ごぼう天そば。先ほどのれんこん天といいこのごぼう天といい、立地が九州に近いだけあってメニューのラインナップが九州チックだ。こういう単独揚げのごぼう天は、九州以外ではなかなか出会えないものだ。
  主目的である温泉の取材のため、美祢線に乗車。単行ですね。温泉の取材はいろいろ難しい部分が多い(浴室内の撮影が特に難しい)ので、駅そばに比べて取材効率が著しく落ちる。つまり、取材費がかなり高くついてしまう。おそらく、この本は私以外のライターが書いたら赤字になるだろう。でも、私は取材費を安くあげるノウハウを持っている(手前味噌ですみません)し、他の仕事の取材を兼ねて回ることで帳尻を合わせている部分もある。事実、今回の旅の交通費は、なんと実質0円なのだ。その理由は、後述する。だから、今回の旅のタイトルに「おいしい」と入っているわけ。
  約60軒の取材を予定している温泉の中で、記念すべき最初の訪問がこちらの施設。JR於福駅から徒歩3分ほどのところにある於福温泉「おふく温泉」。道の駅「おふく」内にある日帰り温泉。入浴料500円で露天風呂があって、冷たい源泉浴槽があるので長湯ができて、とても良い施設でした。美祢線は本数が極端に少ないのでね、長い待ち時間を潰すことができるかなぁと不安に思っていましたが、杞憂に終わりました。
  移動中に、曇り空なのに虹が架かるという珍しい光景に出会えました。
  今日の宿は、JR呉駅の裏手にある健康ランド「大和温泉物語」。実は、ここも単行本の公式取材で訪れました。旅の宿を兼ねるという、効率的な取材! 浴室内撮影が深夜の清掃時間帯に限られましたので、宿泊利用するしかなかったという事情もあります。いろいろ苦労しているんですよ。
  ちなみに、裏手に港があるという立地なので、露天風呂に浸かっていると度々霧笛が聞こえてきます。これはほかの施設にはない風情だなぁと感じました。霧笛は夜間に聞いた方が情緒が増すので、ぜひここは宿泊で利用したい施設です。
  これで、今回の温泉公式取材は終了。次に目指すは、ラジオ出演のある大阪。今回の旅の交通費は、全部ラジオ局が持ってくれたので、実質0円ということになったのでした。単行本とラジオと、さらにウェブの仕事の取材も兼ねた旅ですので、3つの仕事の取材が交通費0で上がってしまったわけです。これを「おいしい」と言わずになんと言うか。
  広島から大阪までは、未食駅そばを潰しつつ移動。まずは、広島駅「ちから」で、玉子そば。玉子とじですね。この店では卵をとじない「月見」ととじる「玉子」が両方ありますので、注文時にはご注意を。
  広島駅で、もう一杯。在来線改札内橋上コンコース「駅麺家」で、がんす天そばを。広島以外の方は、「がんす天」と聞いてもピンとこないでしょう。これは、魚肉ソーセージに似た魚肉練り製品をパン粉の衣で揚げたカツです。そういえば、前夜に「大和温泉物語」のレストランで食事をしたときにも、定食に付いていました。この写真は円形ですが、四角形のものが一般的なのだとか。「大和温泉物語」のがんす天は、四角形でした。美味いことは美味いのですが、そばよりもご飯の方が合います。
  まだまだ、いきます。福山駅「あじわい」が、駅舎の外に移転して「あじわい処 麺」と名を変えていましたので、ここでも一杯。かき揚げそばです。写真ではちょっとグズグズな感じに見えますが、これはかきあげとは別に揚げ玉がトッピングされているため。かき揚げそばに揚げ玉を乗せる意味がよくわかりませんが……。
  岡山県は素通りして、姫路駅「えきそば」で天ぷらえきそばをいただきます。ただし、ホームの店舗ではなく未食の大手前店で。姫路駅と姫路城の中間にある、ロードサイド店です。なんでこんな場所に店舗が? と思いたくなるような場所にあります。味は、ホームと変わりません。ソフト麺的な中華麺で、うどん出汁にもよく合っていて美味いです。
  梅田でラジオ出演を終え、本日の宿へ。安宿の限界にチャレンジということで、西成の安宿の中でも安い部類の「ホテルダイヤモンド」の1.5畳部屋に泊まってみました。これはもはや独居房か懲罰房ですね。布団を敷いたら、それで終わりです。もちろん、冷暖房や冷蔵庫はありません。宿泊料は1100円と格安ですが、まぁこの辺りが限界でしょうかね。1泊限定で、遅めのチェックインで早めのチェックアウトならなんとか、という感じです。
  部屋の狭さよりも、廊下の狭さの方が気になりました。向かいの部屋のドアが開いていると、ドアを開けられないんですね。これ、火事になったら逃げられないと思いますよ。
  外から見ると、こんな感じ。窓の数が尋常じゃないです。たぶん、もう二度とここには泊まらないと思いますが、もっと下のレベルは覗いてみたくなるかも。そこに地雷があることが分かっていると、踏んでみないと気が済まない性格なんですね。
  さぁ、最終日。仕事はもう全部終わっているので、ブラブラと散歩を楽しんでから、青春18きっぷでゆっくり帰るのみです。途中、東小橋公園で、大相撲の稽古場を見学。ちょうど大阪場所が開かれていたんですね。地方場所では、各部屋ともこんな感じで仮の稽古場を設営して稽古に励んでいます。
  堺筋本町「都そば」で、天ぷらそば。以前は「都由」だったように記憶していますが、知らないうちに「都そば」に変わっていました。まぁ、「都由」も「都そば」も似たようなもんです。
  都そばのドンベ天は大きな円形のもの。小さなエビが数匹入っているだけの巨大たぬきです。でも、これが駅そばらしくていいんです。麺やつゆによく馴染んで、結構美味いんです。もしかしたら、ヘタな揚げたてかき揚げよりも美味いかもしれません。
  大阪駅「麺家」でも、きざみそばをいただきました。ここも「おあがりや」から変わった店ですが、実質的には「おあがりや=麺家」なので、変化は微小です。値段が上がったことが最大の変化でしょうか。味覚的には、他店舗の「麺家」と変わりません。JR系のチェーンですが、味は結構良いです。茹で麺ながらわりとそばらしい食感で、東京で言うと「むらめん」の麺に近い印象。大阪でこういう茹で麺は珍しいです。
  最後の一杯は、瀬田駅「芳兵衛」で、ミニ天丼セット。微妙に駅歩5分を越える立地ですが、ほかに対象となる店がない駅ということで特例を適用しました。
  ミニ天丼がかけそばと同じくらいの大きさの丼で提供されますが、少々上げ底になっていて、量はそれほど多くないです。丼が大きいと邪魔だし食べにくいのでね、小さい丼にしてもらえるとありがたいです。

戻ります。