倉庫114:比国只管街歩きツアー(その4)

  こちらが、フィリピン国鉄のトゥトゥバン駅。周辺の雑然とした街並み(というか、ほぼスラム街)の中で、ここだけ綺麗に整備された空間。規模自体はそこまで大きくないのですが、「さすが旧・マニラ駅」と感じさせる風格はあります。
  ただ、旅客の出入口は脇っちょにあります。建物に入ったところに長机の簡易的なチケット売り場があり、行先を告げて切符を買います。切符は、切手のようなヘナヘナの紙製。トゥトゥバンからエドゥサまで、20ペソ。高架鉄道よりもだいぶ安いです。
  あとは、待合所のベンチで改札が始まるのを待っていればOK。手動改札で、ホームへは常時出入りできるわけではありません。あちこち写真を撮りたかったのですが、改札が始まったのが発車5分ほど前で、多くの旅客が一気になだれ込むため、それどころではありませんでした。
  この写真を撮るのがやっと。車両は、日本製(中古車両の払下げ)です。かなり傷んでいます。車内には日本語表示も多く残っています。「非常口」とか「戸袋に手を引きこまれないように」とか。
  発車すると、一度北に向かってから、ぐるっと時計回りに大きくカーブして南へ向かいます。スピードは、かなり遅いです。ジプニーの方が早いかも。保線状態が悪く、スピードを上げると脱線する危険性があるんでしょうね。
  車内の混雑度は、高架鉄道の比ではないです。エアコンもないので、サウナのように熱いです。座れなかったら、悲劇です。
  無事にエドゥサに着きました。この辺りまで来ると、車内混雑はだいぶ緩和されます。トゥトゥバンからペドロ・ヒル駅くらいまでが混雑のピークでしょうか。
  駅によってはホームが短く、一部の車両がホームからはみ出す場合があります。日本だと、そのような場合にはホームにかからない車両はドアが開かないようになっていますが、フィリピンでは容赦なく開きます。で、降りる人は1mほどの高さから飛び降ります。ドア付近に立ち乗りする場合、後ろから押されて落っこちないよう、注意が必要です。
  車両は、ベコベコ。スラム街(主として、トゥトゥバン駅から隣のブルメントリット駅までの間)を通るときに、住民から投石されるのだそうです。だから、窓には金網が張られています。私が乗った便は特に危険を感じるようなことはありませんでしたが。
  なんで投石するのか、疑問に思うでしょうか。それは、スラム街の人々が線路上で生活しているからです。電車が来ると避けないといけないので、電車を邪魔者扱いするわけです。「うぜーな、通るんじゃねぇよ」と。本来、あなたたちが邪魔なんですけどね。
  ホームの整備もよくないです。躓かないよう、注意を。ホームの端に係員がいて、切符を回収します。
  知人からは、国鉄は車内のスリも多いし、スラム街からガラの悪い人が無賃乗車してきたりして危ないと忠告されていましたが、乗ってみた印象としてはそこまで危険な感じではないです。危険さよりも、息苦しさの方がしんどかったです。日中でこれだけ混んでいるのなら、きっと朝(通勤時間帯)はもっとすごいんでしょうね。ドアが閉まらないくらいになるのかも。また、国鉄は終電がとても早い(19時台)ので、宿への帰りなどに乗りたい場合には、あまり遅くなりすぎないよう注意しましょう。
  国鉄エドゥサ駅から高架鉄道3号線に乗り換えて、オルティガスへ。高架鉄道にもエドゥサ駅がありますが、これは1号線。3号線に乗り換える場合、乗換駅として機能しそうなのはマガランスという駅になります。
  オルティガス駅で降りると、徒歩3分ほどのところにショッピングモール「SMメガモール」があります。その中に富士そばがあるのですが、そのすぐ近くで偶然、こんな店を発見しました。なんと、「小諸そば」です(正確には「KOMORO Dining」。富士そばよりもだいぶ早く、1992年に出店しています。富士そばと違って、ファストフード感覚。右手のカウンターで注文・支払いをして、任意の席で待っていれば配膳してくれます。
  こちら、かき揚げそば。う〜む、漆黒のつゆですね。日本の店舗とはちょっと違います。「小諸そば」というよりも「かめや」みたいなビジュアル。ちなみに値段は、単品で122ペソ。富士そばのかき揚げそばが260ペソですから、半値以下です。
  今回は、ミニかつ丼セット(190ペソ)にしました。そばの方は、日本の店舗とはちょっと違っていたものの、味はまずまずでした。ミニかつ丼は、まずビジュアルでだいぶ損をしていますね。盛り付けがハデに偏っているし、丼の縁にご飯粒がくっついているし。
  いっぽう、富士そばSMメガモール店のかつ丼がこちら。190ペソ。えび天丼よりも安く、かなりお得に感じます。かけそば180ペソと比較すれば、お得感が一目瞭然でしょう。
  肉はそれほど厚いわけではないのですが、大きいです。質量で比較すると、日本の富士そばの1.5倍くらいありそう。文句なしのボリューム感です。ご飯が相変わらず乾燥肌なので、途中で若干飽きが来るのが珠に瑕でしょうか。
  さらに、日本の店舗では絶滅してしまった「そば茶プリン」も、フィリピンでは食べることができます(80ペソ)。新宿店で食べ逃した私は、これが初食。日本の店舗との比較ができないのがちょっと悔やまれるところ。ほろ苦くて、甘さがどぎつくなくて、美味しいです。
  なお、富士そばとKOMORO Diningは、同じ建物(SMメガモール北棟)の同じフロア(2階)にあります。店舗間の距離は、50mくらい。連食できるので、味の比較もしやすいです。
  オルティガス駅近くにも、結構高い建物がありますね。この辺りは、マンダルーヨン市の中心部。近年急激に発展してきている街なのだそうです。
  ホテルに帰り、最後の夜を。同時に、セブンイレブンでの買い出しもこれが最後になります。まず食べてみたのは、イチゴソースのかかったババロアのようなデザート。イチゴソースが、かなり甘いです。
  底の方には、タピオカが沈んでいました。東南アジアらしい演出ですね。
  ポケット菓子をいくつか。この中で注目すべきは、真ん中の「Take-it」という商品。
  これ、どっかで見たことない? 「Take-it」という名称も、なんか聞き覚えがあるようなないような……。
  これ、どっかで食べたことない? チョコがけのウエハースをふたつくっつけたものといえば……。そう、キットカットです。「その2」で、フィリピンではキットカットが流行っていると書きました。流行りものに対して海賊版が出るのは、フィリピンでも同じことのようです。味覚的にも、ほぼ同じと言っていいものでした。
  こちらは、セブンイレブンではなく、宿の近くにあった小さなショッピングモール「マカティ・シネマスクエア」内の屋台で買ったフライドポテト。いろいろな味がある中からバーベキュー味をチョイス。いやはや、味が濃いです。揚げた後でプラスチック容器に入れ、味付けのパウダーも入れてシャカシャカと振るのですが、パウダーを入れた時点で「え? そんなに入れる?」と思いました。値段は覚えていませんが、確か100ペソくらいだったと思います。結構高いです。フィリピンでは、路上の屋台は安いですが、ショッピングモール内外の屋台は全体的に高いです。
  国営テレビのニュースでは、東京で54年ぶりに11月の初雪を観測したと報じていました。
  コンビニフルーツは、こんなパックで売られています。これは、ポメロという柑橘類。皮をむいて、薄皮もむいて、身だけになっています。食べやすくていいんですけどね、外観が分からないだけに味の想像もしづらいです。食べてみた印象としては、大味なグレープフルーツ。
  最終日は、残念ながら雨に降られました。なんでも台風が接近してきているそうで、飛行機が飛ぶかどうか心配されます。午後イチのフライトなので時間には余裕がありますが、不測の事態に備えて観光は諦め、空港に直行することにしました。どうせ雨だしね。まずは、タフト・アベニュー駅近くのバスターミナルまで歩きます。
  ここから、空港行きの直通シャトルバスが出ています。運賃は20ペソ。マニラに到着して最初に乗ったクーポンタクシーが330ペソだったことを考えると、破格です。今にして思えば、往路もこのバスを使うべきだったと猛省しています。
  バスの車内は、こんな感じ。赤いシートが目に毒です。出発を待つ間にバナナ売りのおじさんが乗り込んできたりして、なかなか楽しいです。そんなに混雑せず、隣が空席の状態で出発しました。エアコンも利いていて、まずまず快適です。
  シャトルバスは空港第3ターミナルまでしか行かないので、空港ターミナルループバスに乗り換えて第2ターミナルを目指します。事前の調査ではループバスは無料とあったのですが、20ペソ取られました。変わったんでしょうね。こちらは、シャトルバスにも増して空いています。ある程度大きな荷物(キャリーバッグなど)があっても安心して利用できます。
  第2ターミナルまで行くつもりだったのに、間違って第1ターミナルで降りてしまいました。次のループバスを待ってもいいのですが、また20ペソ取られるのが癪だったので、第2ターミナルまで歩くことに。幸いにも、第1と第2はわりと接近していて、徒歩10分ほどです。第3・第4ターミナルはかなり遠いです。こういうことがあり得るから、早めに空港に向かっておいたんですね。焦らずに済みました。
  空港内でお土産などを見繕い、搭乗手続きを済ませても、まだ少々時間がありました。余裕を持たせたのは良いけれど、念を入れすぎたかな。余ったペソを消費してしまおうということ(これが、空港売店が儲かるメカニズムですね)で、売店でジャンボ肉まんを買って食べます。写真はありませんが、ビールも2本飲みました。
  結構具だくさん。ただ、あまりジューシーではありません。豚・鶏の合挽きなんでしょうかね。安物のメンチカツ(立ちそばで出てくるようなやつ)みたいな感じでした。
  さらに食べ進めると、なぜかウインナーとゆで卵まで出てきました。なんだこりゃ。
  台風をすんでのところでかわして、飛行機は定刻通りに出ました。帰りが明日だったら、危なかったかもしれないです。行きも帰りも、飛行機の席は窓際でラッキー。前列にやたら香水臭いおじさんが乗ってきて辟易しましたが、指定席なのでどうすることもできませんね。
  帰りの便でも、機内食が出ました。今回は、パンではなく米食ですね。飲み物は、ビールです。例によって、使い道のない空のカップが付いています。だからぁ、これはいったい何に使えっていうのよ? ついでに言うと、米食なのにバターが付いています。もう、グダグダ。
  日本に帰ってきたら、立ちそばが恋しくて恋しくて、日暮里の「六文そば」に駆け込みました。あぁ、沁みるぅ。フィリピンでもさんざんそばを食べたのですが、やっぱり日本で食べるのとはちょっと違いますね。どしっと腰が据わってますよ、日本の立ちそばは。
  22年ぶりの海外旅は、新鮮な光景に多く出会えて、とても楽しいものでした。いくつか悔いも残しましたが、初めてのひとり海外としてはまぁ上出来でしょう。国内旅では、もうこの新鮮な経験ができる場所があまりない(あちこち行きすぎているため)ので、これからもちょこちょこと海外に出ようかなと思います。少なくともパスポートがあるうちは、ね。

戻ります。